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児童虐待事件:24年は過去最多の2649件 被害児童の死亡者52人―警察庁

社会

警察庁によると、全国の警察が2024年に児童虐待で摘発した件数は過去最多の2649件。前年に比べ264件(11.1%)も増加した。

2015年の摘発件数は822件で、この10年で3倍以上に。増加傾向が続いている。

児童虐待事件の検挙件数推移

摘発された事件を罪種別でみると、傷害が最も多く1029件。暴行984件、不同意わいせつ228件、不同意性交等162件と続く。殺人(既遂)は32件、殺人(未遂)は38件だった。加害者は「父親など」(実父、養・継父、内縁の男など)が72.2%、「母親など」が27.8%だった。

立件された児童虐待事件の罪種別内訳

摘発された事件における被害児童数は、前年比285人(11.8%)増の2700人で、過去最多。死亡児童数は前年比24人増の52人で、半数近くの24人が無理心中によるものだった。

被害児童数と死亡児童数の推移

児相通告は2年連続で12万人超

警察が2024年に虐待の疑いがあると児童相談所に通告した子どもの数は、12万2378人。前年よりわずかに減ったが、2年連続で12万人を超え、高止まりの状態にある。

厚生労働省によると、2023年度に全国の児童相談所が児童虐待について受けた相談は22万5509件。前年度比5.0%(1万666件)増えて過去最多となった。 相談の内容は、「心理的虐待」が59.8%(13万4948件)、「身体的虐待」22.9%(5万1623件)、「保護の怠慢・拒否(ネグレクト)」16.2%(3万6465件)、「性的虐待」1.1%(2473件)の順だった。虐待をした人は、実母48.3%、実父42.3%、「実父以外の父親」5.1%などだった。

【資料】

バナー写真:PIXTA

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