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パートナーシップ制度:25年5月時点で人口カバー率9割超す 発足10年で530自治体が導入

社会

性的マイノリティー(LGBTQ)のカップルらを公的に認める「パートナーシップ制度」を東京都渋谷区と世田谷区が2015年11月に開始して10年。導入自治体は年々増え、全国での人口カバー率は9割を超えた。

渋谷区と特定非営利活動法人虹色ダイバーシティが実施している共同調査によると、2025年5月末時点で、導入自治体は530。人口カバー率はこの1年で7.4ポイント上昇し、92.5%に達した。「パートナー証明」の交付件数(パートナー登録件数)は、5月末時点で9836組。

パートナーシップ制度導入自治体数と登録件数の推移

パートナーシップ制度は、生計をともにする同性カップルの住民の申請に応じて、自治体がそのカップルを「結婚に相当する関係」と認めて証明書を発行する制度。証明を得ることで、例えば公営住宅の入居申し込みなど、家族と同様の行政サービスを受けられることになる。

日本では同性カップルの婚姻(同性婚)は認められておらず、パートナーシップ制度はそれによる当事者の不利益の一部を「補償」しようという自治体の動きといえる。制度導入の動きは22年、1400万人の人口を抱える東京都が実施に踏み切ったことで、全国に広がった。

制度のない県庁所在地はゼロに

調査結果によると、33都府県が人口カバー率100%を達成。この1年間で仙台市や福島市、松山市などが制度を導入し、制度のない県庁所在地と政令指定都市はゼロになった。

都道府県別人口カバー率

同性婚をめぐっては、「婚姻の自由」や「法の下の平等」を保障した憲法に違反するとして、19年に同性カップルらが全国5地裁に6件の訴訟を提起。一審判決では「違憲」、「合憲」、「違憲状態」と判断が分かれたものの、昨年から今年にかけて5つの高裁で、同性による結婚を認めない現行の法制度は憲法違反だとする判断が相次いで出されている。

【資料】

バナー写真:同性婚訴訟の名古屋高裁判決を受け、「違憲」などと書かれた横断幕やボードを掲げる弁護団ら=2025年3月7日、名古屋市中区(時事)

同性婚 パートナーシップ制度 LGBTQ