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令和のコメ騒動で民間輸入が急増―1キロ当たり341円の関税でも割安感?

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1993年の「平成のコメ騒動」をきっかけコメの市場開放が始まり、政府が年度あたり77万トンを無関税で輸入している。民間企業がコメ輸入するには1キロあたり341円の関税が課されるが、「令和のコメ騒動」で高い関税を払っても輸入するインセンティブが働きつつある。

日本がコメ市場開放に踏み切ったのは1995年。それまでほとんどコメを輸入していなかったが、ガット・ウルグアイ・ラウンド合意(WTO協定)に基づき、ミニマム・アクセス数量(現在は年度当たり77万玄米トン)を無関税で輸入している。

国産米の流通に極力影響を与えないようにするため、ミニマム・アクセス米は国が一元的に輸入・販売する。77万トンのうち主食用米として輸入するのは最大10万トンで、近年の主食用米の年間需要700万トンの1.5%程度に相当する量だ。

民間企業がコメを輸入する場合は1キログラム当たり341円の高い関税が課される。民間輸入は近年、年間600~800トン程度で推移してきた。「コメの輸入量の推移」のグラフは、〈ミニマム・アクセス米=黄色〉〈民間輸入米=赤色〉で色分けして作図しているが2024年までは赤色がほとんど視認できないほどわずかな量だ。

コメの輸入量の推移

民間輸入部分だけを取り出してグラフ化すると、2025年に入って急増していることが分かる。3月単月1280トンは、2024年通年(1015トン)を超え、4月6838トン、5月1万650トンとうなぎ上り。国産米の価格高騰で関税など輸入コストを加味しても外国産米に割安感があるためだ。従来はタイ、ベトナム、インドなどアジア諸国からの輸入が多かったが、25年に入ってからは米国比率が高まり5月は7割を超えた。

流通大手イオンが6月から都市部を中心とする店舗で米国産100%のコメを販売を開始したほか、外食チェーンなどでも外国産米や外国産とのブレンド米の導入が進んでいる。

コメの民間輸入(関税有り) 量と金額の推移

【資料】

バナー写真 : イオンが販売するカリフォルニア産カルローズ米100%の「かろやか」2025年5月13日撮影(時事)

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