2000円札発行から四半世紀 : ほとんど忘れられた存在? 沖縄では現役です!
経済・ビジネス 旅
あまりにレアなので、支払いに使おうとすると「これ、本物ですか?」と疑われることもあるとか…。でも、沖縄ではATMで手軽に出金できるそう。
- English
- 日本語
- 简体字
- 繁體字
- Français
- Español
- العربية
- Русский
ミレニアムイヤーに発行された2000円紙幣
2000年7月に開催された沖縄サミットを記念して同年7月19日に2000円札が発行されてから四半世紀。米国の20ドル札、英国の20ポンド札、EUの20ユーロ札など欧米には2の付く額面の紙幣が流通しているが、日本で額面に「2」の付く硬貨や紙幣の発行は戦後初だった。
財務省や日銀はあの手この手の普及策を打ち出したものの、2000円札に対応した銀行ATMや自動販売機が少なかっため、流通量は04年8月末の約5.1億枚をピークに急減。同年度からは新たに印刷されることもなく、近年は紙幣全体の0.6%ほどの1億枚弱での推移。「実物は見たことがない」「まだ使えるの?」といわれるほどレアキャラ化している。
ところが、沖縄県では随分と状況が異なる。2000円札には沖縄県のシンボルである首里城の守礼門が描かれており、沖縄県民にとっては思い入れのある紙幣。琉球銀行や沖縄銀行のATMに「2000円札優先」ボタンが設置されていて、日常的に2000円札を手にすることができる。

2000円札を優先して出金できるATMの画面(琉球銀行提供)
2000円札の裏面には「源氏物語」の一場面や作者の紫式部の肖像が描かれていることもあり、日本の文化が凝縮された記念の品としてインバウンドの観光客が入手を希望するケースも増えているという。
2000円札は正面から見ると何も見えないが、上下に傾けると「NIPPON」の文字が浮かび上がったり、目の不自由な人が指の感触で識別できるよう点字の「に」を図案化したインクの盛り上げを作るなど高度な偽造防止技術が詰め込まれている。
沖縄に旅行する際には、実物を手に取ってじっくり眺めてみては?
【資料】
- 日本銀行那覇支店「全国と沖縄県内の二千円札発行高推移」
- 日本銀行那覇支店「二千円札コーナー」
バナー写真 : 守礼門が描かれた2000円札の表(時事)

