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完全ブラック!? 休憩なしで「トイレに行けない」、持ち帰り残業常態化―5000人の先生が回答したリアル勤務実態

仕事・労働 教育 社会

業務は増える、会議も増える。授業準備もままならない。働き方改革で早く帰れと言われても、仕事は終わらない。次世代を育てる先生たちはヨレヨレです。

教師は聖職? 単なるやりがい搾取?

小学館(東京都千代田区)が運営する教員向けウェブ媒体「みんなの教育技術」が2025年5~6月にかけて実施したアンケート調査(有効回答5412)で、8割を超える教員が1日の平均的な勤務時間が10時間以上と回答。4人に1人は12時間を超えて勤務していることが分かった。平均値は11.17時間で、法定の勤務時間(1日8時間)超えが常態化している。

平均的な1日の勤務時間

休憩時間を「ほとんどとれない」が全体の65.6%。これに「15分未満」を加えると、回答者の85%近くの人がまともな休憩を取れていないことになる。労働基準法が定める休憩時間45分以上を確保できているのは、全体の1.5%のみ。

休憩がとれないため「トイレにも行けない」とコメントする人も多く、膀胱(ぼうこう)炎を繰り返している教員もいた。 

1日のうち実質的な休憩時間はどれぐらい?

半数以上が週3日以上の持ち帰り残業を余儀なくされている実態も明らかになった。「学校では集中できないので持ち帰らざるをえない」「仕事が終わらないのでやむなく」といった声が多かったという。「仕事の量は増えるばかりなのに、早く帰ることが推奨され、結果、持ち帰りの仕事が大量にある。教員になった以上、自分の幸せはあきらめるしかない」と悲壮なコメントもあった。

さらに約9割が休日にも業務が発生しており、休日仕事が月に3~4日以上ある人が3552人に上った。

持ち帰り残業は週平均で何日?

そんなブラック職場でも教員を続けているのは、「子どもの成長」「授業の手ごたえや楽しさ」に喜びとやりがいを感じているからとの回答が約7割だった。 

【資料】

バナー写真 : PIXTA

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