秋の味覚の王様マツタケ:24年の国内産はわずか45トン、9割以上を輸入
経済・ビジネス 食
秋の味覚を代表するマツタケ。しかし、流通の9割が外国産で占められ、近年の国内産生産量は50トン以下にとどまっている。
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「マツタケご飯」に「土瓶蒸し」──、秋の味覚の代表とされる、食用きのこの王様マツタケ。国内の生産量は近年減少の一途で、多くを輸入に頼っている。
農林水産省によると、マツタケの国内の年間生産量はピークだった1941年には1万2000トン、60年には約3500トンだったが、その後は里山の放棄や害虫被害、後継者不足などを背景に減少。近年の作柄は、豊作で140トンを記録した2010年などを除けば100トン未満の状況が続いており、19年は14トンにまで激減した。24年の生産量は45トンだった。主要な産地は長野県、岩手県など。
現在国内で流通しているマツタケのうち外国産が占める割合は9割以上。中国が輸入の6割以上を占め、近年は米国、カナダ産のものが増えている。
マツタケは人工栽培の技術がいまだ確立していないため、すべて野外で採取される。そのため希少性が高く、収穫期を迎える秋には毎年、高値で取引される。小売段階では、国内産は100グラム当たり5000円から1万円。輸入品でも1000円から3000円の値が付く。
【資料】
- 農林水産省「特用林産物生産統計調査」
バナー写真:PIXTA

