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がんと診断、3割が「脱毛など外見変化」に不安―アデランス調査 : 落ち込み、周囲の目が気になる

健康・医療 社会

がん治療に伴う外見の変化については、女性にスポットが当たることが多い。しかし、男性だって、病気さえ治ればいいわけではない。QOL(生活の質)を維持して前向きに生活していくには、見た目も重要な要素になる。

総合毛髪事業を展開するアデランス(東京都品川区)は、がんの治療による脱毛経験がある30~69歳の男性を対象に、病気による外見変化についての意識調査を2025年8月に実施、412人から回答を得た。

「がんと診断されて不安・心配だったこと」のトップは当然のことながら「治療内容・副作用」69.4%だが、お金、家族への負担、仕事など生活全般についてさまざまな不安が押し寄せてくることがうかがえる。「脱毛・肌質変化など外見」を挙げた人も3割近くに上った。

がんと診断されて不安・心配だったこと

実際にがんの治療を受けて困ったことやつらかったことでは、「頭髪の脱毛」36.9%が最も多く、「気分の落ち込み」34.7%、「体力・気力面で仕事が困難になった」31.6%を上回った。

脱毛に関して困ったことは、「落ち込みやすくなった」「周囲の視線が気になる」「外出をためらう」が4割前後。脱毛は見た目だけの問題にとどまらず、社会的な活動制限など、患者の心理と行動の両面に大きな影響を与えていることがうかがえる。

脱毛に関して困ったこと

脱毛後に帽子やウイッグを使う人も多いが、その理由は「周囲の視線が気になった」41.2%、「脱毛したことを隠したかった」34.2%など。同社では、「他者からどう見られるかという対人意識に基づく不安、病気であることが外見から伝わることへの抵抗感が背景にある」と分析。「病気による外見の変化のケアは女性に焦点が当たりやすいが、男性にとっても重要性が浮き彫りとなった」としている。

【資料】

バナー写真 : PIXTA

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