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築20年超の中古マンションも億ションに : 23区内は「5年前の倍」近くに急高騰

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「新築は無理でも、中古なら」と手が届いたのはひと昔前の話。いまや中古も“億ション”の時代。

LIFULL(東京都千代田区)が運営する不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME’S」は、自社サイトに掲載された東京23区の中古マンションについて調査。70平方メートル換算した価格を築年数別に調べたところ、2025年(11月10日まで)の平均価格は、築25年未満までが「億超え」となった。新築マンション価格の高騰の影響は中古マンションの価格にも波及し、「築年数が経過した物件で妥協しようか」と考えた人にも、「億の壁」が立ちはだかっている。

5年前(2020年)の平均価格と比較では、すべての築年数帯で価格が上昇していた。最も上昇したのは「10年以上15年未満」で、約2.18倍(+7275万円)。「25年以上30年未満」でも1.8倍に値上がりしている。築年数が30年以上になると上昇幅がやや圧縮されるも、この5年での変化は明らかだ。

中古マンションの築年数別 平均価格

築浅物件の掲載数は減少

全掲載物件のうち、築5年未満の中古マンションの割合は、2021年をピークに減少に転じている。

築5年未満 中古マンションの掲載割合

新築マンションの供給数が減少するなか、市場に出る築浅マンションの数も減少しており、価格高騰で手が届きづらい状況になりつつある。

調査担当者は「23区内の新築マンション分譲価格は、平均1億円超えが3年以上続いている。これにより需要が中古物件にシフトし、売り手市場になっていることが主因。また、都心では新築マンション購入後、短期間で売却し比較的大きな売却益を得る“転売ヤー”の存在も、価格を急騰させている一因」と分析している。

【資料】

バナー写真:PIXTA

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