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民生委員:25年度の一斉改選で初の欠員2万人超え 充足率91.7%

社会

企業の定年延長や地域コミュニティーの希薄化などを背景に、民生委員の「担い手不足」が顕在化している。

厚生労働省はこのほど、民生委員・児童委員の2025年度一斉改選の結果を公表。全国の定数24万971人に対し、22万880人を委嘱した。改選時点の欠員数は2万91人で、初めて2万人を超える事態となった。

委嘱者のうち、新任が6万9207人、再任が15万1673人。充足率は91.7%で、前回22年度改選時から2ポイント減少した。

民生委員の定数、委嘱者数と充足率の推移(一斉改選時)

民生委員は厚生労働相から委嘱される特別職の地方公務員。「地域の身近な相談役、支え役」として、主に福祉の分野で活動する。任期は3年。報酬はなく、年10数万円の活動費を支給される。子育て世代の相談を受ける児童委員も兼務する。委員は、町村部では70~200世帯、都市部で220~440世帯を担当として受け持つ。

民生委員の定数は、この20年で約8000人増加。これは高齢者の増加で「見守り・相談ニーズ」が拡大しているためだ。一方、委嘱者の数はほぼ横ばい。充足率は、2007年には97.9%だったが、じりじりと低下している。

「プライバシーとの兼ね合い」悩みながら活動

厚労省によると、2022年時点での民生委員の年齢構成は70代以上が37%、60代が46%で、60歳未満の委員は全体の約2割。性別では男性が37.8%、女性が62.2%だった。

民生委員の年齢構成(2017年)

民生委員制度創設100周年を記念して全国民生委員児童委員連合会が2017年に実施した全国モニター調査(回答数20万750人)によると、当時の委員の在任期間は、1期目の委員が全体の33.3%、2期目が24.6%、3期目が17.%。10年以上務めている4期目、5期目以上の委員も23.2%に上った。仕事をしながら活動する委員の割合は、37.0%だった。

活動にあたり「最も悩んでいること、苦労していること」のトップは、住民との関係で「プライバシーにどこまで踏み込んでいいのか戸惑う」。「やりがいや喜びを感じる時」のトップには、約半数の委員が「支援した人に喜ばれたとき、感謝されたとき」を挙げている。

【資料】

バナー写真:PIXTA

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