食料品の消費税ゼロ:経済効果乏しく富裕層ほど恩恵、期待する企業は4分の1
経済・ビジネス 暮らし
高市政権は、食料品への消費税を8%からゼロへの引き下げに向け、動き出す。だが、シンクタンクの試算では富裕層ほど恩恵は大きく、経済効果は乏しい。企業の間では、減税をプラスと捉えるのは4分の1にとどまっている。
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GDP押し上げ効果は0.3兆円
高市早苗首相は年明けに、8%の軽減税率が適用されている飲食料品への消費税率を2年間に限りゼロにすると表明し、2月の衆院選で大勝。6月中をめどに国民会議で中間報告をまとめる。
大和総研によると、家計負担は年平均で世帯当たり8.8万円軽減されるが、所得別では食料品購入額の多い高所得層の方が負担軽減額が大きい。年収で上位2割の世帯が下位2割の世帯の倍もの恩恵を受けることになり、大和総研は「生活を下支えする必要性の低い家計へ多くの財政支出が充てられる」と指摘する。
また、食料品の消費税ゼロによる税収減が年4.8兆円なのに対し、消費喚起効果は0.5兆円、国内総生産(GDP)押し上げ効果は0.3兆円にとどまるとしている。
一方、帝国データバンクが全国企業を対象に行った調査(1546社が回答)によると、食料品の消費減税について、「プラスの効果が大きい」と回答したのは全体の25.7%にとどまり、「特に影響はない」が48.2%を占めた。
小売業のように「消費意欲が高まる」として、減税を歓迎する業界がある半面、財源確保を疑問視する見方も多い。また、事務作業の複雑化を嫌がる声が聞かれるほか、割安感が増すスーパーなどの総菜に需要が移るとして、外食産業は顧客離れを懸念している。
【資料】
- 大和総研「飲食料品の消費税ゼロの費用対効果と必要性」
- 帝国データバンク「消費税減税による企業の影響アンケート」
バナー写真:PIXTA

