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米国の軍事行動に関連する過去の自衛隊海外派遣

政治・外交 国際・海外

高市早苗首相は19日、米国のトランプ米大統領との首脳会談に臨む。日本はこれまでも国連以外の枠組みで、米国主導の軍事作戦に関連して自衛隊を海外派遣してきた。ホルムズ海峡をめぐる緊張が高まる中、高市氏がどう発言するかも注目される。

ペルシャ湾掃海派遣(1991年)

イラクのクウェート侵攻(1990年8月)に対し、国際社会は米国主導の多国籍軍を結成して対抗。91年1月に始まった湾岸戦争で、多国籍軍は航空作戦とともに地上戦にも踏み切り、2月にクウェートを解放した。日本は同戦争で130億ドルを拠出したが、人的貢献がなかったことから「小切手外交」と米議会やメディアから揶揄(やゆ)された。日本政府は停戦成立後の同4月、海上自衛隊の掃海部隊6隻のペルシャ湾派遣を決定。6月から9月まで機雷除去の活動を行った。自衛隊法に基づく特例措置という位置付けで、自衛隊の初の海外派遣となった。

「テロとの戦い」で給油活動(2001-10年)

2001年9月11日の米中枢同時テロを受け、ジョージ・W・ブッシュ米大統領は「テロとの戦い」を掲げて国際的な支援を要請。日本にも人的貢献を強く期待した。知日派のアーミテージ国務副長官は「ショー・ザ・フラッグ(旗幟を鮮明にしろ)」と迫ったとされる。小泉純一郎政権は「テロ対策特別措置法」を制定。日本は憲法上の制約から戦闘参加はできないため、後方支援(給油)で貢献する形を選択した。海自の補給艦が、主にアラビア海とインド洋で活動する多国籍軍艦艇に対し、軽油・航空燃料などを無償提供した。

イラク復興支援派遣(2004-09年)

米国が主導した「有志連合」(英国、オーストラリア、ポーランドなどが参加)が03年、大量破壊兵器の保持を理由にイラクに侵攻してフセイン政権を倒したイラク戦争。ブッシュ米政権は、日本に「ブーツ・オン・ザ・グラウンド(地上に部隊を)」と強く要求し、小泉政権は「イラク復興特措法」を制定して戦後復興段階での自衛隊派遣を決断した。陸自は06年まで、比較的治安が安定しているとされたイラク南部サマワの宿営地を中心に、「給水」「医療支援」「学校・道路の補修」の人道復興支援活動を行った。空自はクウェートを拠点に、イラクの治安回復活動に関連した多国籍軍の物資・兵員などを輸送した。

橋の視察で関係者から状況説明を受ける陸上自衛隊先遣隊隊長の佐藤正久一等陸佐(左端)=2004年01月26日、イラク・サマワ郊外(時事)
橋の視察で関係者から状況説明を受ける陸上自衛隊先遣隊隊長の佐藤正久一等陸佐(左端)=2004年01月26日、イラク・サマワ郊外(時事)

ホルムズ海峡周辺の中東派遣(2020年~)

ペルシャ湾周辺でタンカー攻撃事件が相次いだ2019年、米国のトランプ政権は中東・ホルムズ海峡の安全確保のための有志連合「センチネル作戦」立ち上げを提唱。日本はイランとの関係悪化を避けるため、有志連合には参加せずに「日本独自の情報収集を行う」として護衛艦や対潜哨戒機をオマーン湾・アラビア海北部などの海域に派遣した。防衛省設置法第4条(調査・研究)を根拠とする調査活動として、日本関係船舶の航行状況の把握や、不審船・不審航空機の警戒監視を任務としている。

【資料】

バナー写真:2001年12月、テロ対策特別措置法に基づく対米支援で、アラビア海で米海軍の補給艦(左)に燃料補給を行う海上自衛隊の補給艦「はまな」。両艦艇の間に給油ホースを渡し、燃料の軽油を送っている(同行する海自護衛艦「きりさめ」搭載のヘリコプターから撮影)[海上自衛隊提供](時事)

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