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原油価格倍増で家計負担は年5万円アップ:低所得層ほど深刻な影響

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米国とイスラエルによるイラン攻撃で高騰する原油価格。この状態が1年間続くとどうなるのか。民間調査会社の試算では、原油価格が昨年の倍になると、勤労者世帯は平均年5万円余りも支出が増え、賃上げ分が吹き飛んでしまう恐れもある。

3月のドバイ原油は1.8倍に上昇

日本が輸入する原油の95%を依存する中東産ドバイ原油の価格は、2025年平均で1バレル68ドルだった。ところが、米国とイスラエルがイラン攻撃を開始した26年2月28日以降、価格は急騰。3月19日には169.8ドルの高値を付け、3月平均は25年平均の1.8倍の124.3ドルとなった。

2月以降のドバイ原油の推移

帝国データバンクは、26年のドバイ原油価格について、〈シナリオ1=対前年20%増〉〈シナリオ2=対前年50%増〉〈シナリオ3=対前年100%増〉の3パターンを想定し、家計(2人以上の勤労者世帯)への影響を試算した。

それによると、年間消費支出は〈シナリオ1〉で平均1万78円、〈シナリオ2〉で同2万5194円、〈シナリオ3〉で同5万388円増える見通し。

年収200万円未満の世帯の負担増は、各シナリオとも全体平均の半分程度だが、もともと支出額が収入の95%を超えているため、追加負担の発生は生活に切実な影響を及ぼすことになる。この所得層はパートやアルバイト、契約社員などの非正規雇用者が多いとみられる。また、「勤労者」という枠を取り払うと、年金生活者も大きな影響を受ける。

一方、年収1500万円以上の世帯では、〈シナリオ3〉で負担増加額が8万6919円まで拡大する。ただ、支出額は収入の40%程度なので、低所得世帯に比べると負担増の影響は小さい。

世帯収入別(2人以上、勤労者世帯)の年間支出増

原油高が直接、価格に反映されるのは軽油やガソリン、灯油、石油製品、航空輸送などだが、帝国データの担当者は「物流コストや生産コストも押し上げて、物価全般に上昇圧力が掛かる」とみている。消費者物価上昇率については、〈シナリオ1〉0.25%、〈シナリオ2〉0.63%、〈シナリオ3〉1.26%の押し上げになると予想している。

消費者物価上昇率の押し上げ

【資料】

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イラン インフレ 原油高