ナフサ不足がポテチに波及、カルビーのパッケージ白黒に : 製造業の3割に調達リスク
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パッケージに「石油原料節約」を明記
中東情勢の緊迫化で、幅広い製品の原材料として使われているナフサ(粗製ガソリン)の調達不安が広がっている。
カルビーは5月12日、「ポテトチップス」など主力14品目の包装を白黒に切り替えて販売すると発表した。
ナフサ不足で、包装の印刷用インクや溶剤の調達不安が出ているためで、同社は「商品の安定供給を最優先に、地政学的リスクを含む事業環境の変化に機動的かつ柔軟に対応する」としている。
パリッとした食感が脳内に再生されるチップスの写真や、1976年の誕生以来、半世紀にわたって愛されてきたジャガイモのキャラクターも当面の間は封印される。「堅あげポテト」「かっぱえびせん」「フルグラ」のパッケージも変更予定で、25日以降、順次、切り替えて販売する。
ナフサ関連のサプライチェーンに4万6741社
帝国データバンクによると、ナフサを原料とするエチレン、合成ゴム、塩ビ樹脂などの基礎化学製品メーカーは国内に52社。川下への流通ルートは(1)主要52社と直接取引(2)商社・問屋を通して取引(3)52社から基礎化学品を調達して加工した企業から部品・部材を購入―などがある。
これらの流通ルートに関わる製造業は全国で4万6741社に上り、集計対象とした全製造業約15万社の3割に相当する。
化粧品、洗剤、ハンバーガー包装紙
業種別で、ナフサ高騰や調達難の影響を最も受けやすいのは「化学工業、石油・石炭製品製造」で、4700社のうち67.2%がナフサのサプライチェーンに組み込まれている。
「化学工業、石油・石炭製品製造」の小分類で、プラスチックや合成繊維・染料、医薬品や化粧品、農薬などの原料を製造する「環式中間物製造」は88.4%が該当、合成接着剤を含む「ゼラチン・接着剤製造」87.3%、自動車用塗料や家庭用の洗剤などにも幅広く使われ「界面活性剤製造」84.0%も依存度が大きい。
「パルプ・紙・紙加工品製造」の小分類でハンバーガーの包装紙や紙コップなどに使われる「塗工紙」は80.1%が該当する。
「食料・飼料・飲料製造」のように一見、原油やナフサと無関係に見える業種でも、包装資材の調達難などの形で影響を受ける。
政府は「日本全体として必要な量は確保できている」として、供給不安を否定するが、企業活動への影響はカルビーにとどまらない。ミツカン(愛知県半田市)は容器や包装資材の調達が困難になる可能性があるとして、5月1日に納豆商品のうち4品目の販売休止に踏み切った。日清製粉ウェルナ(東京都千代田区)は、4月から「マ・マー スパゲティ」など乾麺製品の結束テープを従来のゆで時間を印字したものから、無地に切り替えた。
医療や介護現場では注射器やゴム手袋などの品薄感が広がっているほか、住宅用断熱材や食品フィルムなどでも値上げや販売制限の動きがある。中東情勢の混迷が続けば、衣食住のあらゆる面で影響が深刻化しそうだ。
【資料】
- 帝国データバンク「ナフサ不足、国内製造業の3割で『調達リスク』の可能性」
- カルビー「中東情勢の影響による一部商品仕様見直しのお知らせ」
- ミツカン「安定供給に向けた納豆商品の価格改定および一部商品休売のお知らせ」
- 日清製粉ウェルナ「マ・マー スパゲティ製品、および乾麺の結束テープに関するお知らせ」
バナー写真:ナフサ不足に対応したカルビーのポテトチップスのパッケージ(写真提供 : カルビー)


