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南海トラフ地震、首都直下地震の最新被害想定概要(2026年8月)

社会 防災

9月1日の防災の日を前に、発生すれば甚大な被害が想定されている南海トラフ地震、首都直下地震についてまとめた。

【南海トラフ地震】
最大死者29万人超、経済被害292兆円

駿河湾(静岡県)から日向灘(宮崎県)沖にかけての太平洋沿岸のプレート境界を震源域として、これまで100~150年間隔で繰り返し発生してきた大規模地震。政府は2025年9月、今後30年以内に発生する確率を見直し、「60~90%程度以上」(すべり量依存BPTモデルによる)または「20~50%」(BPTモデルによる)とした。

最大クラスの巨大地震が発生した場合、震源地近くでは震度7の揺れとなる可能性があるほか、関東から九州地方にかけての太平洋沿岸で、10メートルを超える大津波の襲来が想定されている。

24年8月8日には、宮崎県沖の日向灘で発生したマグニチュード(M)7.1の地震を受け、気象庁から南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が発出され、1週間後の15日に注意呼びかけが終了した。

南海トラフ地震の想定震源域と震度分布

25年3月に中央防災会議のワーキンググループが公表した被害想定によると、冬の深夜に地震発生の場合、最大の死者数は29万8000人。これは津波からすぐに避難する人の割合が低く、人口の多い東海地方の被害が大きいケースで、津波による死者だけでも20万人を超えるとしている。一方、早期避難率が高く、津波情報の伝達や避難の呼びかけが効果的に行われた場合、津波による想定死者は9万人前後まで減少する。

このケースでは、負傷者数が最大95万人、避難者数が最大1230万人にも及ぶ。全壊焼失棟数は最大235万棟。経済被害は約292兆円で、これは25年度の名目GDP(国内総生産)670兆円の4割以上に相当する。

【首都直下地震】
死者1万8000人、1都4県で震度6弱以上

政府の地震調査研究推進本部によると、首都の直下で起きるM7級の地震は、30年以内に70%の確率で発生する。関東大震災(1923年発生、死者・行方不明者10万5000人余り)の例を挙げるまでもなく、甚大な被害が予想される。

25年3月公表の被害想定によると、19パターンある地震モデルのうち最も大きな被害となる「都心南部直下地震」では、東京都江東区で震度7、茨城、埼玉、千葉、東京、神奈川の1都4県で震度6弱以上の揺れがある。

都直下地震の想定震度分布

被害が最大となるのは、風がある冬の夕方に地震が発生し、揺れによる建物倒壊に加えて火災が広がるケースで、想定死者は1万8000人、全壊・焼失する建物は40万棟に上る。

ライフラインは、茨城県から静岡県までの1都8県で最大1600万軒が停電。電話も全体の5割がつながらなくなる。避難者数は最大480万人。経済被害は83兆円。

【資料】

バナー写真:南海トラフ巨大地震を想定した防災訓練で、避難所運営の手順を確認する参加者=2025年11月16日、岡山県笠岡市(山陽新聞/共同通信イメージズ)

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