禅の言葉6 和光同塵
文化 暮らし
禅語とは、短い一句の中に禅の心や悟りの境地を込めた言葉。難解な禅の教えを理解するための手助けになる。ブラジル人漫画家が、禅語の意味を紙芝居のように仕立てた。第6回は、「和光同塵」。
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【和光同塵（わこうどうじん）】
「和光」は、光をやわらげること。「同塵」の「塵（ちり）」は世俗のことで、汚れた俗世間に歩調を合わせること。つまり、才能や知恵をやわらげて気づかれないようにして、俗世間の中に交わることを意味する。禅僧が学徳や善行を隠して社会の中に溶け込み、人々を救済する様を言う。
登場人物
典子：クラスの掃除委員
井上くん：典子のクラスメート
田中くん：クラスの掃除委員
放課後のクラス会で……
典子「井上くん、どうして一度も掃除に参加しないの!?」
井上くん「そんなダルイ事やってられっかよ」
典子「自分一人だけサボるの？ 最低！」
井上くん「うるせえな！ 絡んでくんなよ、ウザイんだよ！」
クラス会の後……
真理「典子、偉いね。井上くん怖いから、今まで言えなかったの」
典子「当然よ。あんな態度されて、黙ってられないわ」
真理「それにひきかえ、田中くんたら」
彩子「頼りにならないね」
その日の掃除の時間……
典子「井上くん、またサボり!?」
典子「今日こそ、ただじゃおかないわ！」
典子「あっ、田中くん。井上くんと何してるんだろう？」
田中くん「わあ、上の方までピカピカだ。すごいな、井上くん」
井上くん「おだてたって、その手には乗らねぇぞ」
田中くん「ううん、ほんとに助かるよ。ボクじゃ届かないもん」
「……」
田中くん「良かったら、明日は一緒に棚を動かしてくれると助かるんだけど…」
井上くん「しょうがねえなぁ」
典子「いけ、典子！」
典子「ねぇ、私も手伝っていい？」
おわり
漫画：モクタン・アンジェロ