英翻訳賞の候補を発表—グレイトブリテン・ササカワ財団

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グレイトブリテン・ササカワ財団はこのほど、日本文学の英訳を対象とした新たな賞「グレイトブリテン・ササカワ財団翻訳賞」の候補を発表した。川上未映子、多和田葉子、太宰治らの作品が候補に挙がっている。

同賞は、英作家協会の協力を得て新設された。文学的価値と大衆性を兼ね備えた日本の長編小説で、2022年4月1日~23年3月31日に英国で出版された英訳作品が対象。2024年2月7日に受賞作品が決まり、最優秀賞には3000ポンド(約54万円)、次点には1000ポンド(約18万円)が贈られる。

候補作品は以下の通り。

グレイトブリテン・ササカワ財団翻訳賞:候補作品

  • すべて真夜中の恋人たち(2011年刊)(All the Lovers in the Night
    • 英訳者:Sam Bett and David Boyd
    • 作家:川上未映子
  • 地球にちりばめられて(2018年刊)(Scattered All Over the Earth
    • 英訳者:Margaret Mitsutani
    • 作家:多和田葉子
  • 道化の華(1935年刊)(The Flowers of Buffoonery
    • 英訳者:Sam Bett
    • 作家:太宰治
  • 少年と犬(2020年刊)(The Boy and the Dog
    • 英訳者:Alison Watts
    • 作家:馳星周
  • 木洩れ日に泳ぐ魚(2007年刊)(Fish Swimming in Dappled Sunlight
    • 英訳者:Alison Watts
    • 作家:恩田陸
  • Weasels in the Attic(仮題『屋根裏のいたち』)
    *『ディスカス忌』『いたちなく』『ゆきの宿』の3短編(2012–14年)を訳者が長編として再構成した
    • 英訳者:David Boyd
    • 作家:小山田浩子

(原文英語。バナー写真 © Natalie Thorpe)

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