かつお節 : お出汁がおいしいと心が満たされる 和食のうま味を代表する食材
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出汁(だし)を取る際に欠かすことができない「かつお節」は、五枚おろしにした鰹(かつお)を煮て、焙乾(ばいかん / 煙でいぶす)を繰り返し、水分が26%以下になるようにしたもの。
ここまでの工程でできたものは「荒節」。
荒節にカビを付けて熟成させたものが「枯節(かれぶし)」。カビ付け・乾燥の工程を何度も繰り返し、さらに熟成させた「本枯節(ほんかれぶし)」は製造に半年以上の時間がかかるが、まろやかな味わいと芳醇な香りは絶品。ホテルや高級な和食店では思わずうっとりするように香る出汁は間違いなく本枯節でとったものだ。
かつお節のうま味の主成分はイノシン酸。うま味主成分がグルタミン酸である昆布と合わせ出汁を取ると相乗効果でさらに味が引き立つ。どちらも食品スーパーで簡単に手に入るので、コツさえつかめば、家庭でも簡単に本格的な出汁を取ることができる。

手前の黒っぽいものが荒節、奥の粉が吹いたようなものが枯節(PIXTA)
昭和の時代は各家庭にかつお節を削る専用の器具があり、その都度、削っていたが、最近は機械で削ったパック入り商品が主流。
花かつお
厚さ0.2ミリ以下に削ったもので、出汁を取るのに使う最も一般的なタイプ。スーパーなどで大袋入りで販売されている。鍋に水を入れて火にかけ、沸騰したら火を止めた状態で花かつおを入れ、10分ほど静かに待つ。これだけでシンプルな出汁が取れる。(沸騰させないように再加熱してさらにうま味を引き出す方法もある)
厚削り
一般的にかつお出汁は煮立たせないのが鉄則だが、厚削りは時間をかけて煮出す。そばつゆなど濃いめのどっしりとした出汁を取りたい時に使う。酒の肴(さかな)としてそのまま食べたり、パスタの具材などとしても美味。
砕片 / 糸削り
食べやすいように薄く、細く削ったもの。家庭用のバック入り削り節の中身。出汁を取るよりも、料理にトッピングしたり、あえたりして使う。
最近では、海外でもかつお節のだしの味が人気になってきたが、枯節はカビを付けているため、欧州や中国では厳しい制限がかけられており、輸出することができないのが残念!
かつお節をトッピングしたおいしいお料理を!
→ 「パラパラと振りかけるだけで料理が華やかになる : かつお節のお料理コレクション」
取材・構成 : イークラフト
バナー写真:PIXTA



