ウド:シャキシャキ感が自慢!かつて東京の特産物だった、春の香りを運ぶ野菜
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ウドは数少ない日本原産の野菜の一つで、北海道から九州まで野山に自生する。シャキシャキとした食感が持ち味で、ほろ苦さの後に広がる清涼感ある香りが春の到来を感じさせてくれる。ただ、天然ものはほとんど市場に出回ることはなく、「山ウド」として販売されているのは自然に近い環境で栽培した品。先端が緑色がかっていて、ウド本来の風味や香りが強い。
一方、軟化ウドは地下に掘った室(むろ)など暗い場所で栽培するため、全体が白色。山ウドより軟らかく、あくも少ない。

暗所で育った「東京ウド」(写真提供:東京都農林水産振興財団)
ウドは主に関東から東北地方、特に栃木県と群馬県で多く生産されている。東京郊外では江戸時代後期から栽培が盛んで、戦後間もない時期に地下3メートルの室で育てる軟白ウドの生産法が確立されたのも、東京の多摩地域。1970年代前半には東京産が全国生産の4割以上を占めた。JA東京中央会は、「東京ウド」を地域の伝統的な作物“江戸東京野菜”に指定している。

「東京ウド」は地下の穴倉で育つ(写真提供:東京都農林水産振興財団)
ウドは放っておくと2~3メートルに成長するが、大きくなりすぎると硬くて食用に向かず、かといって木材ほどは硬くないので使い道がない。そこから、「体ばかり大きくて役に立たない」ことを「ウドの大木」とたとえるようになった。
ぬた(酢みそあえ)
ウドといえば定番の食べ方。皮をむいて短冊切りにしてから、酢水に浸してあくを抜き、酢や砂糖で調味したみそであえる。ネギやワカメと合わせることも多い。
きんぴら
むいた皮を無駄なく食べる知恵。細切りにして炒め、しょうゆなどで甘辛く味付けする。
天ぷら
衣をつけて揚げ、塩を振るだけで春を感じる一品に。タラの芽やフキノトウなどと一緒に出すことも。
【資料】
取材・構成:イー・クラフト
バナー写真:山ウド(PIXTA)


