蒟蒻(こんにゃく): 繊維質豊富で低カロリー 最強のデトックス食材
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仏教とともに伝来、江戸時代に庶民の食卓に
和食に欠かせない食材である「こんにゃく」は、こんにゃく芋を乾燥させて粉状にしたものを水で練ったり、生のこんにゃく芋をゆでてから練ったりしてアルカリ性の凝固剤で固めて作る。固める際の形状は、板状に成形する「板こんにゃく」、細い糸状にした「しらたき」、球形の「玉こんにゃく」などがある。

結びしらたきは見た目が美しく、一人分ずつ取り分けしやすいので人気(PIXTA)
日本には6世紀頃に仏教の伝来とともに製法が伝わったと考えられている。初めの頃は医薬用として珍重され、高僧や貴族ら限られた人しか食べられなかったが、江戸時代になって庶民の食卓に頻繁に登場するようになった。
味わいそのものは淡白なので、出汁(だし)を吸わせるように煮込んだり、濃厚なみそだれをかけたりして食べる。独特のむちむちとした弾力で、具だくさんの煮物や汁物に食感のリズムを加えてくれる。

手綱こんにゃく 薄くスライスしたこんにゃくをねじると料理もワンランクアップ(PIXTA)
こんにゃくは昔から「お腹の砂払い」「胃のほうき」などと呼ばれ、便通をよくする効果が知られている。食物繊維のグルコマンナンを豊富に含み、腸内環境を整えるためだ。さらに、97%が水分なので超低カロリー。そのため、デトックスやダイエットに効果的な食材として人気だ。
その象徴はゼラチンの代わりにこんにゃく粉を使って固めたこんにゃくゼリー。1992年に全国販売を開始したメーカーの「おいしくて、おなかもキレイ」のキャッチコピーは多くの人の心を捉えた。最近では、「こんにゃく麺」や「こんにゃくライス」など主食の置き換えダイエット食としても注目を集める。

ダイエットおやつとして定着しているカップ入りのこんにゃくゼリー(nippon.com編集部)
グルコマンナンには血糖値の上昇を抑え、コレステロールを下げる働きがある。糖尿病など生活習慣病予防に取り入れる人も多い。
原料のこんにゃく芋にはシュウ酸カルシウムが多く含まれており、その針状結晶が刺すように皮膚や粘膜を刺激するため、生はもちろん、煮ても焼いても痛くて食べられない。畑を荒らす雑食イノシシですらこんにゃく芋は避けるというシロモノなのだが、それを食べられるように加工した古代の人の知恵と努力に感謝!
取材・構成 : イークラフト
おいしく食べて体にうれしい「こんにゃく」を使った料理をこちらにまとめました!
→「罪悪感なしに食べられる超低カロリー : こんにゃく料理コレクション」
バナー写真 : PIXTA
