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小粒でぴりり!山椒のお料理コレクション

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山椒の爽やかな芳香と刺激的な辛みは、料理の味を引き締め、舌を覚醒させてくれる。日本オリジナルのスパイスは、和風以外に使っても乙なもの。

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→「山椒(サンショウ):清涼感のある香りと鋭い辛さにしびれる

うなぎの蒲焼き

「山椒といえばこれ!」誰もが頭に思い浮かべる組み合わせ。辛みや香り成分による抗菌作用が食あたりを防ぐなどの理由が後付けに感じられるほど、山椒とうなぎはベストマッチ。

(PIXTA)
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ちりめん山椒

ちりめんじゃこと実山椒を、しょうゆなどで甘辛く煮た総菜。小さな粒が舌をピリッと刺激する。京都の料理人が親しい友人向けに作っていた手土産を発祥とし、いまや全国区の知名度となった。

京都府のちりめん山椒(写真提供:農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」)
京都府のちりめん山椒(写真提供:農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」)

佃煮

国内有数の山椒の生産地であり、地名を冠した「朝倉山椒」「有馬山椒」で知られる兵庫県の郷土料理。実山椒をしょうゆなどで調味した佃煮は、ご飯のお供はもちろんのこと、冷ややっこの薬味にしても、日本酒のアテにも最高。

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タケノコの山椒煮 / 木の芽あえ

日本料理で「木の芽」といえば山椒の若い葉のこと。春から夏に旬を迎える料理のあしらいに使う。同じ頃に旬を迎えるタケノコと組み合わせると、より季節感が増す。

島根県の「タケノコの山椒煮」(写真提供:農林水産省「うちの郷土料理」)
島根県の「タケノコの山椒煮」(写真提供:農林水産省「うちの郷土料理」)

すり鉢ですった木の芽と白みそを混ぜた衣を、ゆでたタケノコにまとわせたあえ物は、山椒の清々しい香りが春らしい一品。ちなみに伝統的な「すりこ木」は、山椒の枝を使う。堅く摩耗が少ないので、食材をするのに適している。

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木の芽田楽

山椒の風味がきいた木の芽みそは、豆腐に塗って焼き「田楽」として楽しむことも。

愛知県の木の芽田楽(写真提供:農林水産省「うちの郷土料理」)
愛知県の木の芽田楽(写真提供:農林水産省「うちの郷土料理」)

和食に爽やかな刺激を添える山椒は、チーズなど乳製品とも好相性で、パスタやピザに振ると個性的なアクセントになる。近年は、山椒を使ったチョコレートが世界的な大会で金賞を受賞したり、生産地発の山椒ソフトクリームがヒットしたりと、スイーツにも合うと話題になった。

いつもの味に山椒をひと振りして、新しい組み合わせを発見してみては?

調査・構成:イー・クラフト

バナー写真:ちりめん山椒(PIXTA)

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