知ればもっとおいしくなる にっぽん食べ物図鑑

アサリ: 春から夏が旬、ふっくらしてうま味たっぷり

文化 暮らし

アサリを鍋に入れて加熱、パカッと貝が開くと、食べごろの合図。勢いよく開く瞬間においしさと香りが広がり、テンションが上がる。

先史時代からアサリを食べ続けている

アサリは北海道から九州、朝鮮半島、中国大陸沿岸、台湾に分布する二枚貝。内湾の干潟や浅い海の砂や泥の中に生息する。日本各地の沿岸部には先史時代の人が捨てた貝類や動物の骨などが堆積した「貝塚」が残っている。日本人が古代からアサリを食用としてきた証だ。

江戸時代になると、江戸湾(現在の東京湾)周辺で採取が盛んになり、庶民の食卓に欠かせない存在となっていった。

アサリはスーパーなどでは年間を通じて流通するが、旬は産卵前の春から夏にかけて。この時期は身がふっくらとしてうま味も濃厚。海水もぬるむ季節、浅瀬での潮干狩りは人気の行楽でもある。

アサリのうま味は主に「コハク酸」という成分で、貝類の特徴である深いコクを生み出す。さらに、グルタミン酸やアミノ酸も含まれており、だしとして非常に優れている。

せっかくのおいしいアサリも、砂抜きがしっかりできていないと、「ジャリッ」とした食感が残り、台無し。アサリを買ってきたら、海水と同程度の3%の塩水につけて、2時間程度の砂抜きが必要。テレビの音がする明るいキッチンの調理台などではなく、薄暗い静かな場所の方がアサリがリラックスして砂をはくという。

PIXTA
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砂出しの様子を観察すると、殻の間から2本の管を出して、水を吸ったり出したりしている。アサリは海水を取り込み、海水に含まれるプランクトンなどを食べ、餌にならないものは粘液で固めて体外に放出している。この原理を利用して人間は砂出しをさせるが、自然界において、アサリは天然のろ過装置の役割を果たし、海の環境を守っている。

酒蒸し

シンプルな酒蒸しでも十分においしいけれど、バターでコクを足せばなおよし。

(フォトAC)
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みそ汁

アサリから濃厚なだしが出るので、昆布やかつお節でだしを取る必要がない。みそ汁の具としては、おいしいうえに楽ができる食材。

(フォトAC)
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炊き込みご飯

アサリのだしでうま味たっぷり。上質な海苔(のり)を巻いておにぎりにしても美味。

(フォトAC)
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ボンゴレビアンコ

和食じゃないけれど、んな大好き。レストランで食べるだけではなく、自宅で作る人も多い。

(フォトAC)
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バナー写真 : 潮干狩りでとれたアサリ(フォトAC)

食材 海産物 アサリ