干瓢(かんぴょう): 甘辛く煮含めてすしの具材が定番
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東海道五十三次にも描かれた
「干瓢=かんぴょう」は、文字通り「干した瓢=ひさご」。瓢箪(ヒョウタン)の仲間であるウリ科のユウガオの果実を薄く、細長く帯状にむいて干した食材。
ユウガオはアフリカ・熱帯アジア原産で、夕方になると清楚な白い花が開くことが名前の由来。平安時代の歌人、清少納言は『枕草子』の中で、「花の形は朝顔に似て風情があるのに、なんとも実が不格好で残念」とつづっている。また、『源氏物語』には若き光源氏が思いを寄せ関係を持つ女性として「夕顔」が登場。平安時代には、広く栽培されていたのだろう。

大きいものは6~7キロの重さになるユウガオの実(PIXTA)
「かんぴょう」に加工して食べるようになったのは15世紀ごろで、大阪市が発祥とされる。明治の頃までは関西地方が生産の中心で、歌川広重「東海道五十三次 水口=現在の滋賀県甲賀市」には、のどかな田園風景の中、女性たちが手分けしてかんぴょうづくりをする様子が描かれている。
現在は、かんぴょうの98%が栃木県で生産されている。水口藩の藩主が壬生藩(現在の栃木県壬生町)に国替えとなった際に、水口で栽培していたユウガオの種を取り寄せたのが始まりと言われる。
ユウガオの収穫期は6~8月で、かんぴょうを天日干しする様子は栃木の夏の風物詩となっている。
ユウガオの実を電動で回転させながら、専用のかんなで薄く長く削っていく(PIXTA)

かつては天日干ししていたが、最近は天候に左右されないビニールハウス内でファンを回して乾かすのが一般的(PIXTA)
かんぴょうそのものの味わいは淡白でこれといった主張はないが、水で戻すとしっとりふっくらとして、「味をよく含む」のが特徴。
〈巻きずし〉
しょうゆと砂糖を加えただし汁で甘じょっばく煮付けたかんぴょうは巻きずしの具材として定番。関東ではかんぴょうを芯にした細巻き、関西では太巻きの具材の一つとして巻き込むことが多い。
〈食べられるひも?〉
長さとしなやかさを生かして、食材を縛るひもとして重宝する。昆布巻き、餅きんちゃくなど和食のみならず、コンソメやトマトソースで煮込むロールキャベツに使う人も多い。味の主張がないので洋風料理にしても違和感がない。
【資料】
- 栃木県干瓢商業協同組合「かんぴょうの基礎知識」
調査・構成:イー・クラフト
バナー写真 : PIXTA




