年齢、選考見直し…、選手からは不安の声も-東京五輪延期決定で
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代表選考やり直しは無理
昨秋のラグビーW杯で活躍、東京五輪でも7人制ラグビー男子日本代表候補の福岡堅樹は24日、自身のツイッターを更新。「何がどう転ぶか分からないこんな状況の時こそ、実家から送られてくるこの癒しの存在には助けられます」とコメントし、猫の写真をアップ。「自分にコントロールできないことは考えても仕方ない。今の自分にできる最高の準備を続けよう!」と気持ちを切り替えた。
柔道男子60キロ級で五輪代表に内定している高藤直寿は、ツイッターを次々と更新。「東京2020→東京2021になるの? どっちにしろ、僕はいつでも戦う準備はできています」と宣言。「オリンピックの前にまず、コロナウイルスに打ち勝つことだな。手洗い、うがいめっちゃしよう」と気持ちの“帯”を締め直した。
と同時に「代表選考やり直しとかになったら流石に無理だろ。単純に一度決まった選手と決められなかった選手が試合するのはメンタル面でアンフェアだし。先に内定もらったのが不利になるのはおかしいし、スポーツはフェアであって欲しい」と複雑な心境ものぞかせた。
競泳男子の入江陵介は「東京オリンピック・パラリンピックがどうなるかのニュースが多いけど…一番大事なのは自分の身体、命」とツイートした。
2年延期なら諦めていた
一方、東京五輪を競技人生の集大成と位置付けてきた選手にとっては、1年近くの延長は負担となる。ロンドン・リオデジャネイロ五輪メダリスト、重量挙げ女子の三宅宏実は、共同通信の取材に対して「1年はちょっと長い。体力的、年齢的に事の重みを感じる。2年延期なら諦めていた」と戸惑い気味。まだ出場権を獲得していないが、来年に向けては「中途半端で終わりたくないので一度リセットさせてほしい」とコメントした。
卓球男子で東京五輪代表に内定している水谷隼は、32歳で来夏の五輪を迎えることになるが、「I can do it」というシンプルなコメントとともに、老け顔に加工した自身の写真をアップ。歳を取ってもがんばるぞという自嘲気味なアピールをしてみせた。ファンからは「相変わらずのあまのじゃくな天才的ツイート」「こんな時に心に余裕がありすぎですよね~」などとの声が上がった。
I can do it🏓🇯🇵 pic.twitter.com/Ph0SqczzsF
— 水谷隼 (@Mizutani__Jun) March 24, 2020
パンデミック後の世界を祝福する機会に
一方、現在急速に感染拡大が進行中の海外のアスリートたちからは安堵の声が広がった。
男子マラソンの世界記録保持者でリオ五輪金メダリストのエリウド・キプチョゲ(ケニア)は、「2021年まで延期するのはとても賢明な決断」と歓迎。今年11月に36歳となるが、「五輪王座を防衛するために来年、日本を訪れることを心待ちにしている」と意欲を見せた。
また、リオ五輪自転車男子スプリントの金メダリスト、カラム・スキナー(英国)は「東京2021はパンデミック後の世界を祝福する素晴らしい機会になる」とツイートした。
バナー写真:「復興の火」の聖火皿に点火する中学生=2020年3月24日、福島市(時事)