今週の歴史を振り返る:This Week in Japanese History

今週の歴史を振り返る:2月3~9日

2月3日

福沢諭吉が死去

1901(明治33)年 明治時代の啓蒙(けいもう)思想家で慶応義塾(現慶応義塾大学)の創設者、福沢諭吉が66歳で死去した。大坂の緒方洪庵の適塾で蘭学を学び塾頭も務めた。開港後の横浜を訪ねた際、オランダ語が通じず、英語が国際語であることを知り、独学で英語を修めた。幕府使節として3度欧米視察。『学問のすゝめ』『文明論之概略』などの啓蒙書を執筆し、欧米列強に伍して日本の独立を保ち、国力を発展させるには「独立自尊」の精神や「実学」が重要であることを説いた。慶大出身者を中心とする経営者の社交クラブ「交詢社(こうじゅんしゃ)」の設立、日刊紙「時事新報」の創刊など、幅広い分野で活躍した。

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2月4日

横綱・朝青龍関引退

2010(平成22)年 モンゴル出身で大相撲の第68代横綱・朝青龍が、一般男性に対する暴行事件の責任を取る形で現役引退を表明した。この際、横綱審議委員から、横綱として初めての「引退勧告書」を受けた。きっかけとなった事件以前にも、けがの治療を理由に参加しなかった夏巡業開催中に母国でサッカーに興じたり、税金の申告漏れで追徴課税されたりと、問題行動がたびたび指摘された。幕内優勝25回。現役時代からモンゴルでは英雄視され、引退後は母国で実業家として活躍。

2月5日

早慶が名実ともに私大第1号

1920(大正9)年 帝国大学以外の教育機関も大学として認める勅令「大学令」が18年に公布されたことを受け、財務・教学両面で高等教育機関としての体制整備をいち早く進めてきた慶應義塾大学と早稲田大学が初の私立大学として認可された。両大を含む私学がすでに「大学」を名乗ってはいたが、制度上は専門学校として扱われ、最高学府の帝大とは歴然たる差があった。慶大は文・経済・法・医の4学部、早大は政治経済・法・文・商・理工の5学部で、いずれも4月、他学に先んじて総合大学として再発足した。

2月6日

札幌冬季五輪、日本勢がスキージャンプでメダル独占

1972(昭和47)年 札幌冬季五輪スキージャンプ70メートル級で、笠谷幸生が日本の冬季五輪史上初の金メダルに輝く。金野昭次が銀メダル、青地清二が銅メダルを獲得し、「日の丸飛行隊」がメダルを独占した。

2月7日

長野冬季五輪開幕

1998(平成10)年 冬季五輪長野大会が開幕。開会式では指揮者の小澤征爾氏がベートーベン「歓喜の歌」の合唱を指揮し、大相撲の横綱・曙が土俵入りを行った。

2月8日

ホテルニュージャパンで火災

1982(昭和57)年 午前3時すぎ、東京・赤坂のホテルニュージャパン9階客室から出火、宿泊客ら33人が死亡した。出火原因は宿泊客の寝たばこだったが、スプリンクラーの未設置などずさんな防火設備や従業員の対応のまずさが被害を大きくした。横井秀樹社長は業務上過失致死罪で起訴され、禁固3年の有罪判決を受けた。

2月9日

夏目漱石が生まれる

1867(慶応3)年 文豪夏目漱石(本名・夏目金之助)が江戸牛込馬場下横町(現在の新宿区喜久井町)に生まれる。

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バナー写真:長野五輪開会式。大相撲の大関若乃花を先頭に入場行進する日本選手団(時事)

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