【動画】大地の息吹を噴き上げる冬の小安峡(おやすきょう):秋田県湯沢市

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秋田県の南東に位置する湯沢市には、大地の裂け目のような峡谷「小安峡」がある。人気の景勝地で、多くの観光客が訪れる。小安峡は皆瀬川(みなせがわ)の急流によってV字型に浸食され、その奇観は全長約8キロにわたって続く。中でも名所とされるのが、谷底から蒸気や熱湯が噴出する大噴湯(だいふんとう)。厳冬期には、地元の人が「しがっこ」と呼ぶ大きなつららも見られ、岩壁を落下する大小の滝や98度の噴湯との共演が楽しめる。

大噴湯の真上に架けられた赤いアーチ型の河原湯橋からは小安峡の全景を眺めることができる。同橋から60メートル下の河原には遊歩道が設けられ、上流・下流2カ所の階段からアクセスできる。間近で見る大噴湯は大地の息吹を感じさせる。東北を旅した江戸時代の紀行作家・菅江真澄(すがえ・ますみ)も大噴湯に接し、「雷神の響きのようなすごい音がして水がはじけるように湯が噴き出していた」と驚きを記している。

湯沢市には過去の火山活動を物語るスポットが点在しており、市全域が地球科学(地学)的に観察・研究の意義がある「ジオパーク」に設定されている。この地には現在、噴火するような火山はないものの、大噴湯のほかにも数多くの温泉が湧き出ている。東北電力が地熱発電も行っており、将来に継承すべき貴重な自然資源だ。

映像提供:CNA秋田ケーブルテレビ
テキスト作成:ニッポンドットコム編集部

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