【4K動画】能登に国内で唯一残る「揚浜式製塩」:石川・珠洲

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「揚浜式(あげはましき)製塩」は、造成した塩田に海水をくみ上げて塩を作る古来の技術だ。今は石川県珠洲(すず)市の1カ所だけで伝承されている。塩田に海水をまいた後、塩分の付着した砂を集めて塩分濃度の濃い鹹水(かんすい)を取る塩浜作業と、鹹水を釜で煮詰めて塩を結晶化させる釜屋作業からなる。

海水を均一にまくには熟練の技が必要。海水は太陽の光と熱、風で水分が蒸発し、砂に塩分が付着する。その砂を集めて四角い箱に入れ、海水をかけ、砂に付いている塩の結晶をためる。たまった水を大釜で夜を徹して煮詰めると、夜が明けるころ、白く結晶化した塩が誕生する。ミネラル豊富な天然塩は、内外の料理人からも高い評価を受けている。

能登地方の揚浜式製塩の歴史は16世紀末に遡るといわれ、加賀藩主が財源確保と農民の救済のために奨励して広まったとされる。2008年、国の重要無形民俗文化財に指定。18年には当時皇太子だった天皇陛下が作業を視察された。

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