【4K動画】北前船の船主らが住居を構えた天領:石川・輪島「黒島地区」

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能登半島の輪島市門前町黒島町には、江戸後期から明治初期にかけて日本の海上物流を支えた北前船の船主や船頭が住んだ集落がある。立ち並ぶ家屋は黒瓦の屋根、板壁・格子戸という共通点があり、統一感のある景観をつくる。国の重要伝統的建造物群保存地区に指定され、能登観光の隠れた人気スポットだ。とくに、規模が最大級の角海家住宅は、資料館として内部が公開されている。黒島地区は徳川幕府が治める天領だった。地元の若宮八幡宮の祭礼も「黒島天領祭」として毎年8月に開催され、大阪城、名古屋城をかたどった2台の曳山(ひきやま)が町内を巡る。

北前船(きたまえぶね) 北陸や奥羽の産品を日本海・瀬戸内海を経て商都大坂まで輸送する木造帆船および、その航路を指す言葉。江戸時代から明治初期まで大量の物資を輸送する主要交通路として活用された。船主は単に海運業にとどまらず、自己資金でコメなどの物資を買い集め、上方で売りさばく商社的活動も行った。江戸後期には北海道にまで航路を拡大した。酒、塩、雑貨を上方で仕入れ、復路の寄港地で販売するなどして、巨万の富を蓄積。北陸などでは豪商とうたわれ、藩政に影響を及ぼす業者も台頭した。維新後に欧米から導入された蒸気船や鉄道に物流機能を奪われ、明治中期以降は衰退の道をたどった。

映像:金沢ケーブル「なぜだか金澤~見つけて加賀・能登」より

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