【4K動画】豪雪地帯に現れる広壮な古民家群:石川県白川市白峰

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白山は神々が住まう霊峰として古くから信仰の対象とされ、石川県民にとっては特別な山だ。その北西麓に位置する白山市白峰(旧白峰村)には、山村には珍しく、町場のように古民家が建ち並ぶ一角がある。切り妻屋根の母屋は、木壁の上部に白壁をあしらった総2階建てが多い。長屋門のような門構え、石垣や大きな土蔵などを備えた格式のある屋敷も見られる。江戸時代、天領として栄えた面影が、今も家並みに残る。

白峰は積雪が2メートルを超える日本有数の豪雪地帯。冬は高い屋根に登っての雪下ろしが欠かせない。屋根に届く大きなはしごを、通年常置する家屋も散見される。雪深い山村という厳しい環境にありながら、この地の農家はかつて畑作や炭焼きの傍ら養蚕を営んだ。2階や屋根裏に蚕棚を備えた広壮な邸宅が、過去の繁栄をしのばせる。

2012年、10ヘクタールの範囲に広がる古民家群が国の重要伝統的建造物群保存地区に指定された。それがきっかけとなり、地元の有志による建物の保存活動が活発になった。豪雪を逆手に取り、厳冬期には「雪だるままつり」(今年は感染症予防のため中止)を開催。古民家の前には、かわいらしい雪だるまが並ぶ。日が沈み夜の闇が訪れると、一斉にろうそくがともされ、幻想的な雰囲気に包まれる。名物の食べ歩きも楽しめるイベントには、地域の住民ばかりでなく、県外からの観光客も足を運ぶ。過疎や住民の高齢化が進む厳しい環境に抗して、歴史遺産を後世に伝えようとの、地域住民の意気込みが伝わってくる。

映像:金沢ケーブル「なぜだか金澤〜見つけて加賀・能登」より

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