【4K動画】和洋折衷の尾山神社神門:金沢市

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加賀藩祖・前田利家公と正室お松の方をまつる尾山神社の入り口には、「神門(しんもん)」と呼ばれる不思議な形をした建造物がある。同神社が創建された明治の初頭に流行した「擬洋風建築」の一つ。宮大工が横浜などの西洋建築を見よう見まねで建てたので、この名称が使われた。屋根の上に取り付けられた避雷針は日本最古と言われる。神門は1950(昭和25)年、国の重要文化財に指定された。

3層から成り、一番下の第1層は3連アーチ。石造りのように見えるが、骨組みは木造で、外壁に金沢の石材・戸室石(とむろいし)が使われている。2層目、3層目は壁を銅板で覆っている。第3層の窓には色ガラスが用いられており、夜間のライトアップ時には幻想的なムードを漂わせる。全体に丸みを帯びたデザインは中国風だが、第1層のしめ縄の奥にある欄間、タマネギのような擬宝珠(ぎぼし)を付けた第2層、第3層の欄干などには、神社建築の様式が採用されている。

外様大名の雄・加賀藩は、徳川幕府への忖度(そんたく)から利家公をまつる神社を建てなかった。維新後の1873(明治6)年、旧藩士が遺徳をしのび、前田家別邸の地に尾山神社を建立。その2年後に完成した和漢洋折衷の神門には、随所に梅を模した前田家の家紋があしらわれている。同神社は金沢市の繁華街香林坊に近く、観光スポットとして人気がある。

映像:金沢ケーブル「なぜか金澤〜見つけて加賀・能登」より

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