【動画】神々しい篠尾(ささび)の雲海:和歌山県新宮市熊野川町

旅と暮らし

天空の城のイメージで雲海ツアーの火付け役となった竹田城跡(兵庫県朝来市)、備中松山城(岡山県高梁市)。これらに比べ知名度は低いが、和歌山県新宮市で見られる雲海もスケールの大きさでは引けを取らない。

三重県との県境近くには「篠尾の雲海」として風景写真家にはおなじみの撮影スポットがある。秋から冬にかけての早朝、森林に囲まれた熊野の盆地では湿った空気が気温の低下で気化し、濃い霧が発生することがある。このとき、下界を見渡せる高みからは、霧は雲のように見え、熊野の山々は海に浮かぶ島となる。山の緑と雲海の白がパノラマのように広がり、朝日に輝く光景は神々しい。熊野が古くから山岳信仰の地として善男善女(ぜんなんぜんにょ)をひきつけた理由がよく分かる。

新宮市には熊野三山の一つ熊野速玉大社があり、かつては参詣者でにぎわった。2004年の「紀伊山地の霊場と参詣道」(通称・熊野古道)が世界遺産に登録されると、同大社が再び注目されるようになった。熊野古道を歩く観光客の一部が、篠尾の雲海にも関心を示すようになった。ただ、雲海を眺められるスポットはあまり知られていないので、観光案内所などでルートを確認するのがおすすめだ。また、「晴天の翌日」「高湿度」「無風・微風」など、霧の発生は気象条件に左右されるので、こちらもよく調べておこう。

映像提供:ZTV
テキスト作成:ニッポンドットコム編集部

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