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2018/5/9

ザ・ミレニアルズ渋谷:テクノロジーが快適さを生む未来型カプセルホテル

広さ3平方メートルの客室ながら、朝になると自動で起き上がる最新ベッドで極上の目覚めを約束するホテル「ザ・ミレニアルズ渋谷」。小さいながら多機能な個人スペースと、センスあふれる広々とした共用空間によって、自分だけの時間とゲスト同士の交流の両方を快適にする。

ゲスト同士の交流が生まれる空間

世界的にも有名な観光スポット「渋谷の交差点」から歩いて約5分。20183月、10階建てビルの310階に、未来が見える宿泊体験をコンセプトに掲げたカプセルホテル「ザ・ミレニアルズ渋谷」がオープンした。昨年、京都に誕生した「ザ・ミレニアルズ京都」に続く2号店だ。

ミレニアル世代をターゲットにした「ザ・ミレニアルズ」の特徴は、ホテル面積の20%を共用部に充て、コワーキングスペースやセルフキッチン付きのラウンジを導入していること。運営する株式会社グローバルエージェンツは、ワンルームマンションのプライバシーを確保した上で、シェアハウスのコミュニケーションを取り入れた、新しいタイプの住宅「ソーシャルアパートメント」で成長を遂げた企業。そのノウハウをふんだんに取り入れ、ゲスト同士の交流が生まれる空間を充実させている。

コワーキングスペースは、宿泊客以外も有料で使用可能

カプセルホテルの進化形

「スマートポッド」と呼ばれる客室も必見だ。客室自体の面積は3平方メートル。既存のカプセルホテル並みの面積しかないが、天井高は2.3メートルと高い。面積以上に余裕を感じる室内には独自開発したIoTが搭載されている。

ズラリと並ぶスマートポッド。ソファ状態の時は、手前に立てるスペースが生まれる

その象徴が、リクライニングソファとしても使えるベッドだ。アラームと連動し、設定した時刻になると自動的に起き上がる仕掛けになっている。ベッドは最終的に60度まで立ち上がり、さらに明かりも点灯する。これなら、どんなに朝が苦手な客でも目が覚めるに違いない。グローバルエージェンツ代表・山﨑剛さんの設計理念もユニークだ。

「自分自身、寝起きが非常に悪い、というのも開発動機の一つです。コンパクトさにこだわるだけでは楽しくないので、テクノロジーを使い、最新のガジェットを手にした時のワクワク感を演出しました。アラームやリクライニングだけでなく、室内点灯などスマートポッド内のすべての機能は、チェックインの際にお渡しするiPodで操作するシステムです」

グローバルエージェンツ代表の山﨑さん

一般のカプセルホテルは客室すべてがベッドで、人が立てるスペースは一切ない。極限まで効率を追求しているからだが、「ザ・ミレニアルズ」の場合、ベッドが起き上がるので足元にスペースが生まれる。そのため、客室内で立って着替えることなどが容易だ。

また、大型スーツケースを収納できるように、ベッドの下にはキャビネットも設けられた。スライディングさせれば、ほぼベッドの広さ分のスペースを有効活用できる。着替えをしたい時、スーツケースの中身を入れ替えしたい時など、旅行者のシーンを想定した便利な工夫だ。

ベッドの角度や明かりの調整などはiPodで行う

テクノロジーとアートを融合

客室内にはモニターが設置されていない。しかし心配にはおよばない。客室のスクリーンをおろし、PCとつないで80インチのスクリーンに内側から映像を投影すれば、たちまちホームシアターに早変わりするポッドもある。動画コンテンツを見るもよし、旅先で撮った写真を楽しむもよし。テクノロジーが柔軟な楽しみ方を可能にしている。

プロジェクター付きの部屋は、個室のロールカーテンがスクリーンとなる

宿泊施設としての快適性にもこだわった。幅120センチメートルのソファベッドは、通常のソファベッドよりも寝心地にこだわり、厚さ25センチメートルのコイルを採用している。ゲストが有料で利用できるオリジナルのコットン製の寝間着は肌触りが良く、そのままでも館内を歩きやすいユニセックスデザイン。「和」のテイストを取り入れた点もゲストには好評だ。

こだわりのアメニティーセット

「ザ・ミレニアルズ渋谷」には、1号店の京都にはない演出もある。人気アーティスト20名が「スマートポッド」の壁面を彩った「アートポッド」だ。

「『渋谷らしさ』を考えて、あえて落書きアートのイメージを盛り込みました。アートを融合させることで、これまでのカプセルホテルにはないライフスタイル性を発信しています。半年間から1年間程度の期間限定ですが、お客さまの反応を見ながら展開を考えていきたいですね」(山﨑さん)

渋谷らしさが感じられるポップなアートポッド

男女混合のグループ客に人気

渋谷店は、6フロア中、男女ともに利用できるフロアが4、女性専用フロアが2。京都店での経験を踏まえたフロア構成だ。京都店はこれまでに2回、フロア構成を変更している。オープン前は個人客が多いだろうと予想し、女性専用と男性専用、男女共用のフロアの構成比を「2:1:1」としていたが、いざフタを開けてみると現実と予想との間には大きなギャップがあったからだ。

「男女混合のグループで旅行している外国人のお客さまが多かったんです。そうしたお客さまは男女共有のフロアを好まれるので、最終的には、男女共有を3、女性専用を1フロアにしました」(山﨑さん)

セルフキッチンでは、コーヒーが24時間無料で提供される。朝食時にパン、夕方にはビールの無料サービスまである

オープン前に早くも1000件以上の予約が入り、順調な滑り出しを切った「ザ・ミレニアルズ渋谷」。うち外国人は80%近くを占める。今後3年間で海外も視野に入れながら、10施設の開業を計画しているという。ジェンダーを問わず、グループ客にも使いやすい進化系カプセルホテルが、世界にお目見えする日も近そうだ。

【DATA】

ザ・ミレニアルズ渋谷

  • 住所:東京都 渋谷区 神南1-20-13
  • Tel03-6824-9410
  • アクセス:JR・東京メトロ・東急・京王「渋谷駅」から徒歩6
  • 料金:1泊 6000円前後
  • 公式ホームページ:https://www.themillennials.jp/shibuya 

取材・文=三田村 蕗子
写真・動画撮影=三輪 憲亮