先進デジタルアートで華やぐ京都・二条城:世界遺産を秋季特別ライトアップ【動画】

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京都市中京区の二条城において、重要文化財の唐門や特別名勝の二の丸庭園を最新デジタル技術によって飾り付ける「秋季特別ライトアップ FLOWERS BY NAKED 2018 -京都・⼆条城-」が開催されている。テーマは「花と伝統」で、プロジェクションマッピングや触れると舞い散る花びら映像、華道家元池坊とのコラボ作品など、五感で楽しめるイマーシブ(没入型)なアートが城内各所で体験できる。

重要⽂化財の唐⾨に無数の花たちが投影されるプロジェクションマッピング

二条城は1603年に徳川家康が築いた京都での居城。完成してすぐに将軍宣下を受けた家康が入城し、朝廷への挨拶を行った後に就任の祝賀会を開いている。1867年には、15代将軍・慶喜が朝廷に政権を返上した大政奉還の舞台となり、江戸幕府が始まりと終わりを迎えた場所となった。天守閣は焼失しているが、慶喜が諸藩の重臣に大政奉還を表明した国宝・二の丸御殿、特別名勝・二の丸庭園、重要文化財の唐門や狩野派の障壁画などが残存し、多くの観光客を魅了している。1994年には、「古都京都の文化財」の構成資産としてユネスコの世界文化遺産に登録された。

ライトアップされ、池の鏡面反射が美しい特別名勝・二の丸庭園。大政奉還の舞台となった二の丸御殿の大広間前にある

企画・演出などを担当した株式会社ネイキッド代表の村松亮太郎さんは、「僕たちは、この世界の命ある美しいもの全てを“花”と捉えています。コスモスなどの秋の花だけでなく、紅葉の落ち葉やススキなどもFLOWERSとして、世界遺産の二条城が持つ伝統や価値を最大限に生かして融合させました」と語る。紅葉する樹木が少ない二条城だけに、華やかなイベントが秋に開催されるのは観光客にとってはうれしいこと。開催時間は夕方5時半から10時で、期間は129日まで。

入り口に設置された「BIG BOOK〜秋の初⾵〜」。イベントの世界観や展示作品が紹介される

重要文化財の台所内に敷き詰められた「落ち葉の小径(こみち)」。歩くと落ち葉が舞い、踏みしめる音も響く

台所に展示された、室町時代から続く華道家元池坊とのコラボ作品「秋嵐(しゅうらん)」

アロマの香りも漂う台所の「秋桜(こすもす)と蒲公英(たんぽぽ)」。息を吹きかけると、種や花びらが舞い散る

室内で月見の風情が感じられる、御清所の展示「花薄(はなすすき)」。壁面の鏡によって、広大なススキ野原にいる気分になる

通路の紅葉も鮮やかにライトアップされている

「秋季特別ライトアップ FLOWERS BY NAKED 2018 -京都・⼆条城-」

  • 期間:2018113日~129
  • 開催時間:午後530分~10時(最終入場は9時まで)
  • 入場料金:大人1200円、小学生800
  • 公式ホームページ:https://flowers.naked.works/

●交通アクセス

二条城

  • 京都駅から市営地下鉄烏丸線で「烏丸御池駅」まで約6分、市営地下鉄東西線で「二条城前駅」まで約2分、徒歩すぐ
  • 京都市バス950101号系統で「二条城前」まで1520分、徒歩すぐ

取材・写真・動画=藤井 和幸(96BOX

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