芸妓衆が舞う金沢おどり:加賀百万石の城下町 金沢【動画】
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風雅な伝統を受け継ぐ金沢芸妓
「空から謡(うたい)が降ってくる」
庭師や大工が木の上や屋根の上で、仕事をしながら謡を口ずさむほど、能楽が盛んな金沢の土地柄を表した言葉だ。藩政時代に加賀前田家が城下町に根付かせた風雅な芸能は、今日まで数多く受け継がれている。
中でも金沢芸妓は、磨き抜かれた伝統芸とあでやかな着物姿、そして細やかな「おもてなしの心」で高い評価を受けている。
「ひがし」「にし」「主計町」の金沢・三茶屋街にあるお茶屋さんの座敷は、酒を楽しむというよりも芸を楽しむ席。芸妓のお酌でひとしきり会話が弾むと、芸の披露に移っていく。三味線の音色に合わせて披露されるあでやかな舞は、時間がたつのを忘れてしまうほど。芸妓にとって真剣勝負の場であり、この間は話も飲食も控えるのがマナーとなっている。
毎年9月には、三茶屋街の芸妓が勢ぞろいする「金沢おどり」が4日間にわたって開催される。芸の質の高さが注目を集め、会場となる石川県立音楽堂邦楽ホールには全国から多くの観客が訪れる。
三茶屋街の踊りの系譜はそれぞれ異なり、芸妓衆たちは各流派の伝統を背負って舞台に立つ。しかし、「金沢おどり」では調和がとれた見事な舞を見せる。違う流派に挑戦することで、新たな発見を得て、それぞれの芸をさらに研ぎ澄ませたい—。そうした芸妓衆の気概によって、素晴らしい舞台が繰り広げられるのだ。
総おどり「金沢風雅(ふうが)」は、三茶屋街の芸妓衆が勢ぞろいするきらびやかなフィナーレ。直木賞作家の村松友視氏が作詞した「金沢風雅」には、お座敷太鼓の楽しさがふんだんに取り入れられている。
舞台狭しと繰り広げられる「総おどり」によって、にぎやかな雰囲気に包まれながら「金沢おどり」の舞台は幕を閉じる。
映像提供=金沢ケーブルテレビネット「なぜだか金澤~見つけて加賀・能登」
(バナー写真=見事な調和がとれた舞台を繰り広げる金沢芸妓)