落雁:四季を彩る金沢の菓子文化【動画】

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茶の湯文化と共に発展してきた金沢の和菓子。熟練の職人のみがつくり出すことができる美しい「落雁(らくがん)」を4K動画で紹介する。

独自の気品漂う落雁

戦国時代に前田利家が入城して以来、独自の文化を400年にわたって育み続けている金沢。城下町として繁栄した風土の中で、今なお盛んに継承されているのが茶の湯文化だ。金沢では、1年を通して茶会が頻繁に開かれている。

今なお盛んに継承される金沢の茶の湯文化

茶会も年中開催されている

加賀藩前田家は、美術工芸や芸能文化を好み、茶道(ちゃどう)にも深い造詣を持っていた。藩祖・利家や2代・利長は千利休に習い、3代・利常は江戸初期の茶人として名高い小堀遠州(こぼりえんしゅう)に師事したという。その「茶の湯文化」と共に、「金沢の和菓子」は発展していった。現在は、京都や島根県松江市と並んで、全国的にも知られる和菓子どころである。

金沢の和菓子の中で、茶の湯に深い関わりを持つのが紅白の落雁「長生殿(ちょうせいでん)」だ。1625年、金沢で菓子屋を創業した森下屋八左衛門(もりしたやはちざえもん)が、利常の考案した墨の型をした落雁をつくり、小堀遠州の書いた「長生殿」という文字で装飾したと伝わる。今日でも落雁の最高級品とされ、日本三銘菓に数えられている。

400年近く製法を守り続けている

四国産の和三盆糖と北陸産のもち米を使用した生地を、木型にたっぷりと詰め、へらで力一杯たたく。強く、そして均等に打ち込むと、くっきりと文字が浮かび上がってくる。熟練の職人のみに打つことが許され、400年近く変わらぬ製法によって仕上げられるのだ。

金沢の和菓子は、茶の湯文化とともに洗練され、独自の気品や芸術性を今も創り出している。

熟練の職人のみに打つことが許される

菓子職人の技と季節をめでる気持ちを表した四季の落雁

映像提供=金沢ケーブルテレビネット「なぜだか金澤~見つけて加賀・能登」
(バナー写真=紅白の落雁「長生殿」)

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