能登杜氏の伝統:うまい酒を醸し育む加賀の蔵元【動画】

旅と暮らし

昔ながらの製法「山廃仕込(やまはいじこみ)」によって、濃厚で膨らみのある味の日本酒を生み出す能登杜氏(とうじ)。受け継がれてきた伝統の酒造りを4K動画で紹介する。

杜氏の技術力

霊峰・白山から発する手取川(てどりがわ)扇状地に位置する石川県白山市坊丸町(ぼうまるまち)。そこには、日本酒「天狗舞(てんぐまい)」で知られる車多(しゃた)酒造がある。

車多酒造の看板商品「天狗舞」

白山から湧き出る清らかな伏流水は、車多酒造がこだわり続ける「山廃仕込」に用いられる。山廃とは昔ながらの製法で、自然の乳酸菌を育てて、低温でじっくりと酒のもとともいえる酒母(しゅぼ)を造る。乳酸を添加する速醸酒母(そくじょうしゅぼ)より仕込み期間はかかるものの、濃厚で膨らみのある味わい深い酒となる。

清らかな伏流水はうまい酒の源

酒造り技能集団の統率者「杜氏(とうじ)」の中でも、能登は日本四大杜氏と称されるほどに高い技術力を有する。その能登杜氏の中で四天王の一人とされた中三郎(なか・さぶろう)さんは、30年以上に渡り山廃仕込に取り組んできた。良い酒を造るには、「微生物主義の基本に忠実に、寸暇を惜しんで細かく観察することが必要になってくる」と、中さんは語る。現在は顧問杜氏として、後継の育成にいそしんでいる。

真剣なまなざしで麹(こうじ)を確かめる中さん

時代は変わり、石川も能登杜氏にだけ頼らない企業風土になりつつある。しかし、根底にはその伝統が脈々と息づいていることは間違いないだろう。

濃厚で膨らみのある味の山廃仕込の酒

映像提供=金沢ケーブルテレビネット「なぜだか金澤~見つけて加賀・能登」
(バナー写真=坊丸町にある車多酒造)

石川 能登 日本酒 北陸 中部地方 伝統 金沢ケーブル