【動画】日本初の大規模アーチ式ダム「上椎葉ダム」:宮崎県椎葉村

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日本三大秘境に数えられ、国際連合食糧農業機関(FAO)の世界農業遺産に認定される宮崎県の山間部にある椎葉村。多くの民俗文化が今も生きており、平家の落人伝説の里としても広く知られている。

その椎葉村の中心部から約1.5キロ、日向灘に注ぐ耳川の最上流部に位置するのが上椎葉ダムだ。昭和301955)年に、日本で最初に建造された大規模なアーチ式コンクリートダムである。

日本のアーチ式ダムの先駆けである上椎葉ダム

えん提の長さ341メートル、高さ110メートルで、9200万立方メートルの貯水能力を持つ。ダムは安全を重視し、洪水対策として両端からスキージャンプ式洪水吐きを設置。放流した水を中央部で衝突させることで、水流を弱めることができる。

左右にある滑り台のような洪水吐きを水が流れ落ち、ぶつかることで力が相殺される

建設には、5年余りの期間で延べ500万人を動員。難工事によって犠牲者105名を数え、慰霊碑「三女神の像」がダムの傍らに建立された。ダム湖には、『私本太平記』『新平家物語』の小説家・吉川英治が「日向椎葉湖」と命名。四季折々の風景が美しく、「ダム湖百選」にも選出され、観光客が多く訪れるスポットとなっている。

三女神の像の横に殉職者の名前が刻まれている

 上椎葉ダム

  • 住所:宮崎県東臼杵郡椎葉村大字下福良針金橋
  • アクセス:JR日豊本線「日向市駅」から宮崎交通バスで約2時間30分、終点「上椎葉」から徒歩30

映像制作=文化財共働
(バナー写真=上椎葉ダムと日向椎葉湖)

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