【動画】京都の正月風景:知恩院の除夜の鐘、伏見稲荷や八坂神社の初詣

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知恩院の除夜の鐘、初詣でにぎわう伏見稲荷大社や八坂神社、平安神宮など、新春を迎えた京都の風景を美しい4K動画で撮影した。

迫力ある知恩院の除夜の鐘

新年の到来を告げる「除夜の鐘」。除夜とは「大晦日の夜」のことで、仏教寺院の鐘が午後12時前から元旦にかけて108回打ち鳴らされる日本独特の風習である。

特に京都・知恩院(東山区)の除夜の鐘は、ダイナミックな鐘の突き方で有名だ。浄土宗の総本山である知恩院は、開祖・法然が晩年を過ごした地に建てられた歴史ある寺院。除夜の鐘で使用される大鐘は高さ3.3メートル、直径2.8メートル、重さ約70トンという巨大なもので、日本三大梵鐘の一つに数えられる。

特徴のある鐘の突き方は、17人の僧侶が力を合わせる。親綱を握る突き手は、大鐘に背を向けて立ち、「えーい、ひとーつ」と掛け声をかける。それに呼応し、子綱を持つ16人が撞木(しょうもく)を引き上げると、「そーれ」という合図で突き手はあおむけに倒れるように全体重をかけて鐘を打ち鳴らす。さらにその周りでは、3人の僧侶が五体投地の礼拝を行い、数取り役が時間配分と合図などを担当する。例年大晦日の午後1040分頃から突き始め、元旦の午前020分頃に108回目を突き終える。

計17人で撞木を引く迫力の除夜の鐘

初詣で人気の京都の神社を巡る

京都で最も初詣の人出が多いのは伏見稲荷大社(伏見区)だ。全国に3万社あるといわれる稲荷神社の総本宮で、地元では「お稲荷さん」と呼ばれて親しまれ、朱色の小さな鳥居が連なる千本鳥居は訪日観光客にも人気が高い。参道には露店が立ち並び、毎年250万人以上が初詣に訪れるという。

参道を埋め尽くす参拝客と露店

千本鳥居を巡る初詣客

伏見稲荷に次ぐ参拝客数となるのが、東山区の八坂神社。明治以前は「祇園社」「感神院」などと称していたため、界隈は花街「祇園」として栄え、今でも雅な雰囲気を残している。元旦早朝に行われる「白朮(をけら)祭」や「をけら灯籠」の火を火縄に移して持ち帰る「をけら詣り」などが正月行事として有名である。

朱色が鮮やかな八坂神社の西楼門

「をけら灯籠」で願い事を書いた「をけら木」を燃やし、火縄で持ち帰った火は仏前などの灯火や雑煮作りに用いる

時代祭で知られる左京区の平安神宮にも多くの参拝客が訪れる。平安京遷都1100年を記念して1895年に創建され、大鳥居や広大な境内、平安時代を偲ばせる社殿で人気が高い。大晦日から灯籠が境内を照らす「終夜万燈」が行われ、元旦には歳旦祭や京都能楽会の初能も開催される。

平安神宮の広大な境内。参拝客は新年の無病息災や平穏無事などを祈る

取材・動画=藤井 和幸(96BOX

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