2つの大金星で予選1位通過!「森保ジャパン」快進撃への海外の驚き

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初戦のドイツに続き、スペインも撃破しての予選1位通過。サッカー日本代表の快進撃に世界のメディアが騒然とした。

日本は2つの顔を持つチーム

サッカー界に衝撃走る:日本の2点目のゴールはなぜ認められたのか誰にも分からない──

スペイン最古のスポーツ紙「ムンド・デポルティーボ」の電子版が掲げた大見出しが、スペイン国民が受けた戸惑い、ショックの大きさを物語っている。「スペインは悲劇に見舞われた」と意気消沈気味に語る同紙はこう続ける。

「日本は二面性を持つチームだ。ディフェンシブに徹するドイツ戦の時のような顔と、コスタリカ戦のようにもっとリスクを取りにいく顔。決勝トーナメント(ベスト16)進出をかけた勝負の日に、森保一監督は両方の顔を見せた。マニュアル通りに、前半は5人のディフェンダー、4人のミッドフィルダーとたった1人のストライカー。ところが、失うものがなくなった後半は相手陣内に攻め上がった…」

前半に見せていた余裕は完全になくなった。同時刻に行われている他会場の試合で、もしコスタリカがドイツに勝てば、スペインは予選敗退を喫する。実際、コスタリカがリードを奪う時間帯もあった。

それだけに、「マルカ」と「アス」、両スポーツ紙の電子版はいずれも「ダンケ(ありがとう)、ハフェルツ様!」と、2ゴールを挙げてスペインを絶体絶命の窮地から救った、ドイツFWの名前を出し、年来の仇敵に感謝するしかなかった。

試合後、スペイン代表のルイス・エンリケ監督は、「(日本代表は)たった5分で2点を決めた。それで我々はパニックモードに陥った。もし彼らがさらに2点を取らなければならない状況だったら、必ず決めていた思う」と脱帽した。

「堂安にまたもやられた!」―得失点差で敗れたドイツ 

一方、ドイツの公共放送「ドイチェ・ヴェレ」のオンライン版は「ドイツがW杯1次リーグで敗退」との見出しで報道。2018年の前回ロシア大会に続くリーグ敗退にショックを隠し切れない様子だ。コスタリカとの対戦は4対2で勝ったものの、「日本がスペインに衝撃的な勝利を飾り、再浮上した」として、悔しさをにじませた。

試合後、FWのトーマス・ミュラー選手は「自分にとっては全くの災難だ」と落胆を隠せなかった。

1次リーグ突破に向けて、ドイツは目先のコスタリカ戦だけでなく、同じグループEの日本対スペインの結果も気に掛けていたようだ。同放送は、スペインが前半を1対0でリードしたにもかかわらず、後半は「ドイツ戦同様に堂安律にまたしてもやられた。田中碧も続いた」と伝え、ドイツが得失点差で2位のスペインに届かず、リーグ突破はならなかったとした。

「ドイツにとって初戦の日本戦の敗退が全て」と同放送は伝え、強豪国を次々と撃破した日本をたたえた。

サムライたちの信念

さらに、欧州予選で敗退して今大会出場はならなかったが、過去W杯4度の優勝を誇るイタリアの各メディアも、自らの宿敵であるドイツ、スペインを撃破しての日本の1位通過には「センセーショナルな勝利」「信じられない快挙」と驚嘆する。

主要スポーツ紙「ガゼッタ・デッロ・スポルト」の電子版は、決勝ゴールをアシストした三笘薫選手のゴールラインぎりぎりからのクロスを写真付きで論評。

後半、ゴール前にボールを上げる三笘(左)時事
後半、ゴール前にボールを上げる三笘(左)時事

「最初はボールが外に出ていたように見えたが、VARルームで3分以上にわたって分析した結果、中に入っていると判定した。それにしても、1ミリか2ミリのレベルだ」とコメント。最後まであきらめずにボールを追う日本の選手たちの姿勢を、武士道を引き合いに出し、「彼らは並々ならぬ勇気―サムライたちの信念―で再び名声を得た」と称賛した。

バナー写真:同点ゴールを決める堂安律(右から2人目) 時事

(ニッポンドットコム編集部)

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