東京五輪 5つの施設どこまで完成? 最新技術のヒミツを調査

東京2020 スポーツ 社会 技術

  • 東京五輪で注目の5施設が公開「人にも環境にも配慮した設計」
  • 新国立競技場は屋根×送風機で快適な空間づくりを実現
  • 競泳・バレーボール・体操の会場もコスト削減など工夫

巨大会場の建設 順調に進行中!

オリンピックのメイン会場となる新国立競技場。

工事の90%が完成し、7月3日に1年ぶりに報道陣に公開された。競技場トラック内には土が入り、走り幅跳びなどの競技が行われる砂場が作られていた。

他にも、東京アクアティクスセンター・有明アリーナ・有明体操競技場・選手村の合計5つの巨大施設が公開された。その構造について、専門家は次のように指摘する。

武田学 1級建築士:
観客と競技者、どちらも快適な環境ができるように、配慮した設計ではないかと思います。

注目の5つの施設を見ていくと、観客や選手に優しい最新技術があった。

【新国立競技場】屋根×送風機で快適な空間に

陸上競技とサッカー、開会式や閉会式が行われるのは、今年11月末に完成予定の新国立競技場

草や土などの自然をイメージした5色の座席は、6万席のうち4万5000席の取り付けが完了している。

また、観客席の最前列まで風が届く送風機は185台設置。

1年前に公開された時には、多くのクレーンを使って建設中だった屋根もすでに完成している。そこにもこんな工夫が…

武田学 1級建築士:

風の大庇(おおひさし)いわれる部分で、まず外の風をうまく取り込んで、途中階、観客席の途中に隙間を作って。ファンを利用してうまく気流を作って、快適な環境をできるようにしてるみたいですね。

屋根の下などに空間があり、送風機を置くことで、観客席全体に風を送り込む作りになっているのだ。ただ、競技の支障が出るほどの風は発生しないように設計されている。

屋根が無かった旧国立競技場のトラックは風の影響を受けやすかったが、新国立競技場では、悪条件の向かい風や追い風の影響を受けにくいコンディションで本番に臨めそうだ。

【東京アクアティクスセンター】リフトアップ工法でコスト削減

続いては、臨海エリアへ。

多くのメダルが期待される競泳の会場、東京アクアティクスセンターは、立派な屋根が目立つ建物。

昨年5月に取材した時には、屋根は地面の方にあったが、完成度75%の現在、重さ7000トンの屋根は建物の上に設置されている。

武田学 1級建築士:
リフトアップ工法といって、下からクレーンで持ち上げる。大きな足場を作らなくてよいため、(足場代が)大きく削減されると思います。

低い位置で作った屋根を吊り上げていくリフトアップ工法を採用し、当初683億円だった建設費は567億円と、100億円以上のコストダウンに成功している。

大会開催時に1万5000人が観戦できる競泳会場は、来年2月に完成予定だ。

【有明アリーナ】“反り屋根”で周辺住民に配慮&節約も

同じく臨海エリアの有明には、バレーボールなどが行われる有明アリーナがある。特徴は、独特な形の「反り屋根」だ。

この会場の周辺は、タワーマンションが立ち並ぶエリア。ドーム型の屋根を作った場合、周辺の住宅などに太陽光が一日中、反射しやすい状態になってしまう。

一方、反った形の屋根の場合、内側に光が反射するため、周辺への影響を抑えることができるという。

さらに、この形にすることで室内の体積が減り、空調と照明を節約できるメリットもある。

現在、内装工事が始まっていて、完成度は83%。1万5000席以上を完備する有明アリーナは、今年12月に完成予定だ。

【有明体操競技場・選手村】

また、アリーナと道路を挟んだ向かい側には体操の会場がある。

約1万2000席を有する有明体操競技場は、木造の屋根をリフトアップ工法で建設。国産の木材にこだわった会場で、日本らしさをアピールする。

さらに、選手村でも工事は着々と進んでいて、大会終了後も集合住宅や商業施設を建設するなど、新たな街づくりが予定されている。

周辺住民も「活気ができて、お店もたくさんできたらいいと思います」と期待を寄せている。

メイン会場の新国立競技場は、7月中旬に芝を張って陸上トラックの着工に入り、11月末に完成予定。12月21日には、オープニングイベントが開催される予定だ。

(「めざましテレビ」7月4日放送分。元記事はこちら

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