コロナ危機でもケバブ開店 エジプト人店長“人生の賭け”

社会

多くの飲食店がひしめく、東京・神楽坂に9日、オープンしたお店。
訪れた人々のお目当ては?

お客さんは「ファラフェルと、ケバブサンドと...」、「困るね、いっぱいあって。ケバブ丼行く?」、「おいしそうー」などと話した。

店先で対応していたのは、エジプト人の店長、イブラヒム・ジャベルさん(36)。

アブ イサームのイブラヒム・ジャベル店長「コロナの影響で、お客さんが来ないかもしれない。だから、とりあえずテークアウトだけにしました」

テークアウトのメインメニューは、故郷エジプトなどの郷土料理。
羊肉を串に刺して焼くケバブや、つぶしたヒヨコマメに香辛料を混ぜ、油で揚げるファラフェルを使ったサンドイッチなど。

しかし、一連のコロナ危機の影響で、開店までには、さまざまな苦難が。

当初は、3月中旬にオープンする予定だったが、中国から届くはずの換気扇が到着せず、オープンは延期を余儀なくされた。

イブラヒム店長「実は、多くの部品が足りない。例えば、ここのダクトファン。業者に、『中国製なので見つからないため、もう少し待ってくれ』と言われた」

日本人の妻と3歳の息子がいるイブラヒムさん。
実は、店名「アブ・イサーム」の「イサーム」は、イブラヒムさんにとっての宝物である息子の名前。

しかし、日本人の妻と幼い息子は、滞在中のアフリカの国から出国できなくなり、オープンに立ち会えなかった。

イブラヒム店長「とても残念です。彼らがいれば、もっとうれしく、子どもと楽しく過ごせた」

一時は、事態が収まるまで営業開始を自粛しようとも考えたというが...。

イブラヒム店長「働くスタッフへの給与支払いもあるし、毎月の家賃も発生する。わたしには多くの責任があるから、大変ね」

国の緊急経済対策で、個人事業主などに対する給付金の対象は、売り上げがダウンしたケース。
新規開店するイブラヒムさんは、この給付を受けることができない。

不安と難題山積の中での船出だったが、予想以上の盛況ぶり。

長引く休校で、新たな味を求めるニーズにマッチした様子。

購入した人は「学校がなくて(子どもが)家にいるので、1食でも手軽な値段で買えると、すごくうれしい」、「(食事が)偏ってしまうので、いろいろなものが食べられるテークアウトが、今の時代いいのかな」などと話した。

いずれはテークアウトだけでなく、店舗での営業を始めたいというイブラヒムさん。

自慢の味で、日本の力になろうとしている。

イブラヒム店長「買いに来てくれて、店を応援してくれるお客さまには大変感謝しています。徐々にメニューを増やしていきたい。(“コロナ危機”が)終わったら、ぜひレストランで味わってもらいたい」

(FNNプライムオンライン4月9日掲載。元記事はこちら

https://www.fnn.jp/

[© Fuji News Network, Inc. All rights reserved.]

FNNニュース エジプト 在日外国人 COVID-19 新型コロナウイルス