回復者の血液 輸血で「回復」 ルーツは日本? 新たな治療法

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新型コロナウイルスの世界の感染者数は約150万人、死者は約9万(4月9日時点)。

有効な治療法が確立されていない中、感染者数が世界最多となっているアメリカで、大規模な臨床試験が計画されていることがわかった。

使われるのは、回復した元患者の血液だ。

中国では、武漢の重傷者10人に対し、回復した人から血液の成分である血漿(けっしょう)を輸血したところ、7人でウイルスが検出されなくなり、症状が大幅に改善したという論文が発表されるなど、広く行われている治療法だ。

治療を受けた男性患者「血漿を輸血してから、ずいぶん良くなりました。今は肺機能が90%回復し、ベッドから歩いて運動することもできる」

また、回復後に血漿を提供したという看護師は...。

血漿を提供した看護師「自分の血液が誰かの命を救える可能性があるならやらないと」

アメリカでは、臨床試験で使うため、回復してから2週間以上たった人に献血を呼びかけていて、メディアによると、感染から回復したプロバスケットボールNBAのマーカス・スマート選手(ボストン・セルティックス所属)も献血を申し出ているという。

実はこの治療法には、日本にゆかりが。

「日本の細菌学の父」と呼ばれる北里柴三郎博士らが、19世紀に破傷風などの治療法として発見した血清療法と同じ原理を使っているのだ。

一度感染すると、体内には病原体を攻撃する抗体が生まれる。

その抗体が多く含まれる、回復した人の血漿を患者に投与することで回復させようというもの。

北里柴三郎博士のひ孫で、北里大学の北里英郎教授に話を伺った。

北里大学・北里英郎教授「メリットは、新たな薬の開発などがない場合に有効とされていますが、デメリットは、抗体以外に多くの物質が含まれているため、副作用などが起きることが知られています」

この治療法は、韓国でも重症となった71歳の男性と67歳の女性の患者に対しても行われた。

回復した人の血漿をステロイド薬とともに投与したところ、肺の白い影がなくなって完治したという。

しかし、治療した韓国の病院の医師は副作用の危険性もあると指摘する。

セブランス病院 チェ・ジュニョン教授「科学的な根拠が足りない上、副作用もあり得る治療法です。まだ全員に役立つ、推奨される治療法といえる状況ではありません」

はたして効果はあるのか。
アメリカの臨床試験の結果が待たれる。

(FNNプライムオンライン4月9日掲載。元記事はこちら

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