“密”解消目指すも買い物客が... 役所と商店街に“目線のズレ”

社会

高齢化が進む商店街で浮き彫りとなった市民と自治体のズレ。
そこには、補助金をめぐる壁も。

「だからそういうところまで目線を落とさないとダメなの。市民の目線に落とさないと」と必死に訴えるのは、東京・吉祥寺の商店街を取りまとめる武蔵野市商店会連合会・花俣延博会長。

相手は、武蔵野市の松下玲子市長。

強い口調の裏には、商店街への強い危機感があった。

人が集まっているとたびたび指摘されてきた、吉祥寺駅前の商店街。

ゴールデンウイーク初日となった29日も多くの人が訪れていた。

緊急事態宣言前だった1カ月前の映像と比べてみると、人出はさほど変わっていないように見える。

その密の状況を改善しようと、武蔵野市役所が外出自粛を呼びかけるパトロールを実施。

声かけによる感染リスクを防ぐため、録音した音声をスピーカーで流す方法で訴えた。

訴えに耳を貸す様子はあまり見られない。

なぜ、吉祥寺に人が集まるのか。

街行く人に聞いてみると...。

買い物客(50代)「銀座とか渋谷と違って、ここは生活商店街なんで。われわれも生活用品を買うために来てしまうんで」

武蔵野市・松下玲子市長「市としても引き続き継続して、自粛要請を行っていきたいと思う」

商店街を訪れる人を減らすため、要請を続けてきたという松下市長。

すると、そのとき...。

武蔵野市商店会連合会・花俣延博会長「このままいくと本当にね、飲食店みんなつぶれちゃうから。だからその前にね、なんとか救ってやらないと」

飲食店の窮状を訴えたのは、武蔵野市の商店街全てを取りまとめる花俣会長。

現在、吉祥寺駅前の商店街では、3分の1ほどの店が経営が苦しくなるのを承知で休業に協力している。

当然、協力金や補助金の対象になるが、しかし、そこにはある壁が。

武蔵野市商店会連合会・花俣延博会長「補助金を受けるとか、あるいはそういう協力金とかっていうのが、国と都と市といろいろあるわけだよ。自分の店がどのくらいどこに当てはまるのか、はまらないのか。それがわからないし、どこへ行っていいかわからないというのが」

訴えたのは、手続きの壁。

高齢化が進む商店街には、複雑な分類や慣れないオンラインでの申請が原因で、必要な資金を受け取れない経営者が少なくないという。

話し合いは徐々に熱を帯びていき...。

武蔵野市商店会連合会・花俣延博会長「だからそういうところまで目線を落とさないとダメなの。市民の目線に落とさないと。役所の目線で言ったら絶対ダメなんだから。みんなわかんないんだよ、今もこの裏の方でいろいろ聞いてきたよ。どこにやってもわからない、書類どれを出すかもわからない。そういうような状況なの」

都と経営者の間にいる自治体も板挟みに苦しんでいる。

武蔵野市・松下玲子市長「わかります。でも基本はオンラインで受け付けをしてと、東京都は...」

武蔵野市商店会連合会・花俣延博会長「だから、オンラインなんかわからないって、おばちゃんとか年とってんだもん。みんなその辺がわかってないんだよ」

武蔵野市・松下玲子市長「それはうちじゃないんですよ。都なんですよ」

武蔵野市商店会連合会・花俣延博会長「都でも、うちでも、でも窓口は市でやらなきゃダメよ」

コロナのあとに街の風景が変わってしまうことは避けなければならない。

商店街と自治体、それぞれの悩みは今も続いている。

(FNNプライムオンライン4月30日掲載。元記事はこちら

https://www.fnn.jp/

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