予約取れないレストラン “コロナ打撃”で歴史に幕

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最後の夜を迎え、閉店の思いを語った芙葉亭オーナーの中山葉子さん。

芙葉亭オーナー・中山葉子さん「本当に節目節目というか、人生の大切な時に、うちを選んでいただいたんだなって、本当に感謝しかないですね」

昭和・平成・令和と3つの時代にかけ、多くの人に愛されてきた名店が、また1つ、その歴史に幕を下ろした。

東京・井の頭公園に臨み、窓際からその豊かな緑を楽しめる芙葉亭。

多くのグルメ番組の撮影に使用されるなど、予約の取れないフレンチとして名をはせてきた。

芙葉亭は、1988年、中山さんの母・貞子さんが、おいしい料理を楽しんでもらいたいと、自宅を改装しオープンさせたお店。

店が繁盛するとともに、建て替えが行われたが、丸い形の壁や入り口に赤いソファなど、その面影は、今も随所に残っている。

10年前に、母からこの店を引き継いだ中山さん。

中学校で音楽を教えていた中山さんにとって、まったく畑違いの飲食店。

子どもと過ごせないクリスマスを迎えるたび、母を恨んだこともあったというが、母の一言が、大きな影響を与えた。

芙葉亭オーナー・中山葉子さん「どんなことがあっても、うちを選んできていただいて、お食事されて、楽しい思いをさせて帰さないでどうするんだと、その一言につきますよね」

いかにお客さんに楽しんで帰ってもらうか。

そのことを大切にしてきたという。

店で挙式したカップルも、数え切れないほど。

耳の不自由なカップルのプロポーズを、はらはらしながら見守ったこともあったそう。

芙葉亭オーナー・中山葉子さん「コロナじゃなければ、相手が病気じゃなければ、もうちょっと踏ん張れたかなという気はしますね」

店の閉店を知り、訪れる客もあとを絶たなかった。

3世代で利用した人は、「両親を呼んだり、娘の成人式とか、何かと行事ごとに使っていましたね」と話した。

芙葉亭は、多くの人の人生の節目に寄り添ってきた。

別れを惜しむ常連客から贈られた、たくさんの花束や手紙には、さまざまな芙葉亭への思いが。

「芙葉亭で結婚式を挙げ、その後も細く長く通い続けられたわたしたちは幸せ者でした」

「これだけたくさんの思い出のあるレストランは、きっとこの先もないのではと思うほど、大好きです」

芙葉亭、最後の夜を迎えた6日、閉店を惜しむかのような雨が。

2019年のクリスマスに初めて訪れたという女性は、「閉店の知らせを聞いて、主人が予約してくれて。本当に憧れの場所だったので、やっと来られたなって印象だった」と話し、その手には、最後のディナーを記念して撮影されたポラロイド写真があった。

芙葉亭オーナー・中山葉子さん「ほかにも頑張っているお店はたくさんあるので、いい店を見つけていただいて幸せに。お食事は幸せな場所ですから、今すぐは無理でしょうけど、お食事を囲んでいただけたら」

(FNNプライムオンライン5月7日掲載。元記事はこちら

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