キッチンカーで活路を開け “自粛”に負けない機動力

経済・ビジネス

ヨーグルトをベースに、ひと晩マリネした鶏肉をこんがりジューシーに焼き上げ、高級インディカ米・バスマティライスと一緒に味わうひと品。

キッチンカーの定番メニュー「チキンオーバーライス」。

売っているのは、大学卒業間際の2020年2月からキッチンカーを始めた安田敬さん(23)。

Mr.HALAL・安田敬さん「ほかのキッチンカーで(ハラル認証)取っているところは、そんなにないかなと思います」

大学在学中にニューヨークで出会った、チキンオーバーライスの味に感動。

また、人力車のアルバイトを通し、イスラム教徒が口にできるハラルフードのニーズに気づき、開業に踏み切った。

しかし...。

安田さん「通常の出店が今、できていないという状態です」

開業直後にコロナ危機が直撃。

出店場所の閉鎖や外出自粛の影響で売り上げが減少し、4月からはキッチンカーでのデリバリーにも乗り出した。

お客さん「連絡したら配達してくれるというので頼みました」

しかし、同業者を含めて、現状は厳しいまま。

安田さん「出店できても、通勤されている方も少なくなってきているので、売り上げで見たら結構皆さん落ちている」

一方で、キッチンカーには、一般の店舗にはない強みがあるという。

安田さん「1人でもできるので、人件費もそこまでかからないし、うちで見てるのは僕だけなので、(人件費)払わなくても大丈夫なので」

キッチンカーは、人件費のほか、家賃や光熱費などの固定費が安いため、深刻な経営難に直面する飲食業界の中でも、比較的ダメージが少ないという。

そのため、キッチンカーに活路を見いだそうとする人が今、急増している。

熱心に講習に耳を傾ける参加者。
新規でキッチンカー事業に乗り出す人向けの講習会。

都内の中華料理店で、総料理長を務めているという男性は、切実な思いで参加していた。

蔭山樓・蔭山健一さん「待っているだけではお客さんが来ない。車でお客さんのほうに出向いて売るという重要さをすごく感じました」

こうした動きを受け、キッチンカーそのものの需要も高まっている。

フードトラックカンパニー・浅葉郁男社長「飲食店は3密になってしまい、お店を開くことができない。3密を回避しているキッチンカーしかないと、依頼される方が増えている」

キッチンカーを扱うこの会社では、車体の発注が2020年3月から急増。

北は北海道、南は沖縄から、オーダーが寄せられているという。

千葉・白井市の工場には、完成前のキッチンカーがずらり。

キッチンカー製作工場 制作部・菅谷大輔さん「現在、約30台ほどあります。普段より多いです」

給水タンクや流し場のシンクなど、パーツが置かれた工場内。

軽自動車をベースにした場合だと、2週間ほどで完成し、価格は1台232万円から。

浅葉社長「普通の飲食店と比べると、初期コストが低い。開業までのスタートも早い。月々の固定費も低い。特に今は、家賃がないというのは大きい」

コロナ危機で追いつめられる飲食業界。

キッチンカーは、ピンチをチャンスに変える存在となれるだろうか。

(FNNプライムオンライン5月11日掲載。元記事はこちら

https://www.fnn.jp/

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