解除後の緩和に7つの指標 基準超えれば東京アラート

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15日午後、東京都の小池知事が、緊急事態宣言が解除されたあとのロードマップ案を発表した。

このまま第1波を抑えていく、そして、来たるべく第2波での感染者をできるだけ少なくする。
そのための体制整備も含めたロードマップが、15日に発表されたもの。

ウイルスとの闘いは長い闘いと称しているため、小池都知事は「出口戦略」という言葉はあえて使っていない。

まず、ロードマップの横に流れる曲線をみていく。

新型コロナウイルスの第1波が来て、少しずつ新規感染者数は減っていく。
今はこの位置ということになる。

このまま順調に新規感染者が減っていけば、外出自粛・休業要請などの段階的な緩和というステージに入る。

このまま減り続ければいいが、時折、数字が増えることがあるかもしれない。
そのときに出るのが「東京アラート」。

「気をつけてくださいね」、「ちょっと気が緩んでいませんか」というような警報を発するという。

あまりに増えていった場合は、いったん緩和した要請も再びお願いしなくてはいけなくなるかもしれませんということも書いている。

感染者が少ない間、第2波が来たときのための医療体制・検査体制をしっかりと整備しておく時間として使い、わたしたちも普段暮らしている生活の中で、「新しい当たり前」として、ウイルスに備えた生活をこの段階で体に染み込ませてほしいという。

外出自粛・休業要請等の段階的な緩和は、具体的にはどのような基準になっているのか。

14日、緊急事態宣言の解除にともなって、政府は条件の1つに、「直近1週間の新規感染者の数が人口10万人あたり0.5人より少ない」という条件を出した。

人口1,400万人の東京に当てはめる、1週間で70人、つまり1日平均10人ということになるが、今回、東京都が出したのは「20人未満」ということで、東京の方が国が出した指針よりも緩めになっている。

そして、感染経路不明が「50%未満」。

陽性者の増加比は週単位で1倍未満で、週ごとに減っていくことが条件となる。

休業要請の緩和については、感染状況の指標が緩和の目安を下回った場合、審議会の意見をふまえて総合的に判断されるという。

これはステップ1、2、3と出てくるが、今のところステップはまだ0のため、これからステップ1に行けるかどうか。

まずここは、しっかりと最初のステップを踏み出したいところ。

最初のステップでは、美術館や図書館など。

第2ステップでは、飲食店の営業時間短縮の一部緩和、劇場などは座席間隔を空けるなどの感染防止対策を前提とした開放。
また、小規模のイベントならば開催できるかもしれない。

ただ、この時点では、クラスター発生歴のある施設などは当てはまらず、3密になりにくい施設というのが条件に上がってくる。

そして、ステップ3として、すべての施設を開放。
その代わり、入場制限などの対策が前提。
また、中規模イベントも開催可能となっている。

加藤綾子キャスター「ご覧になって二木先生いかがでしょうか?」

昭和大学 医学部・二木芳人客員教授「非常にいいと思います。1つは目標を明確に示されたこと。そして、今の段階というのは、小池さん特有の新しい言葉、きょうは東京アラートが出ましたけど、きょうは『アラート真っただ中』とおっしゃってましたね。ですからまだゼロですね。目標が達成されたらこのように1、2、3と、感染リスクの低いものから順次、おそらく期間を置きながら開いていかれるんだろうと。それぞれに業界が作られたガイドラインなどもありますから、そういうものを参考にしながら、感染リスクが低い、さらに、その中で感染が広がらないように対策をとりながらということですので、大変よろしいんじゃないかと思います」

加藤キャスター「すごくわかりやすいという気がしますが、中室さんはこの7つの指標というのはどうご覧になりますか?」

教育経済学者・中室牧子さん「わたしも二木先生と同じで、非常に好感を持ちました。経済学の研究には、これは失業者を対象にした研究なんですけど、失業者の人に目標の設定を明確にしてもらうと、失業から脱出するスピードが速くなるという研究があるんです。すなわち、明確な目標設定というのは、人の行動を変える力を持つということでありますから、目標を明確にした点は大変高く評価できるのではないでしょうか」

加藤キャスター「一致団結して目標に進めるという気がしますよね。風間さんはどこに注目されますか?」

フジテレビ・風間晋解説委員「このタイミングでロードマップ案が発表されたって、まさにそのことですよね。それはつまり、東京の緊急事態宣言の解除が十分視野に入ったということを示していると思います。きのう改定された政府の基本的対処方針の中に面白いことが書いてあって。直近1週間の10万人あたり累積報告数が、0.5人以下ではなくて1人程度以下の場合は、減少傾向を確認するなどして総合的に判断すると書いてあるんです。つまり0.5人以下でなくてもいいと。これを東京の人口に当てはめると、1日平均20人以下で国の宣言解除は十分考えられるんだということになるわけです」

加藤キャスター「10人とか20人という数字だけに惑わされないで、相対的に判断されるものだということ?」

風間解説委員「10人をあまり厳密に捉えなくてもいいということですよね」

こうした新たな東京の方針でわたしたちの暮らしはどうなるか。
また、この先、第2波が来た時、どのような基準で自粛が再開されるのか。

第2波に備えるということは、「東京アラート」が鳴らないためにということになる。

まずは、「迅速な検査の充実」。
新型コロナ外来の拡充、それからPCRセンターの設置支援。
つまりたくさんの人が検査を受けられるようにということ。

そして、「医療提供体制整備」。
病院機能に応じた重篤・重症・中等症用のベッドの確保。
この辺りのすみ分けをきっちりしましょうということ。

それから、「患者情報の把握、モニタリング強化」。
接触確認アプリの活用も視野に入れているという。


加藤キャスター「こうして見ると、これまでの対策の強化が中心に見えますが二木先生はどうご覧になりますか?」

二木客員教授「今、アラートが鳴らないようにというお話でしたけど、私は第2波は確実にくると思っています。おそらく秋、冬に、うっかりすると第1波より大きい波がくる可能性もあるんじゃないかなと」

加藤キャスター「第1波より小さいとは限らないですもんね」

二木客員教授「そうですね。ちょうどシーズンがいいですよね。秋冬というのは、気温も下がって。インフルエンザなどと一緒に流行が始まると対応が大変です。ですから、そういうふうな場合に備えて、今の状況を充実させるよりも、さらにしっかりした対策で、さらに大きな波が来ても受け止められると。それから、もう1つ大事なのは、やはり、そういうものが来るときに早く認知できると。そういう意味で、検査とか、それから医療提供体制、この辺をしっかりと今以上に備えておくことが非常に大事ですので、第2波に備えたという項目は、今からの戦略以上に僕は大事かと思います」

加藤キャスター「風間さんも第2波に備えた体制の準備はすごく大事だと以前からおっしゃってましたけども。どこに注目されますか?」

風間解説委員「やっぱり東京アラートですよ。どれくらいでかい音が鳴るのかなと。携帯に緊急速報メールみたいな感じで来るのかなって」

加藤キャスター「それも気になりますよね。中室さん、いかがですか?」

中室さん「やはり経済との関係というところで見ると、感染予防と経済は両立しないというわけですから、その綱引きになっているわけですよね。今回、こういうアラートが出たという背景には、飲食店や旅館などの体力がなくなってきているので、なるべく早く経済を再開させたいということがあったのかなと思っております」

(FNNプライムオンライン5月15日掲載。元記事はこちら

https://www.fnn.jp/

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