車内の“カクレクマノミ”を探せるかな? ラッピング電車「海遊館トレイン」が可愛い

社会 旅と暮らし

  • 海遊館30周年の記念に近畿日本鉄道とコラボした「海遊館トレイン」が話題
  • 車内にはよ~く探さないと出会えない海の生き物が3種類
  • 臨時休館中にスタート…担当者「こんな状況だからこそやるべきだ」

新型コロナウイルスの影響で発令されていた緊急事態宣言が解除され、テレワークから通常の電車通勤に戻った人も多いだろう。

「満員電車がつらい」という声が聞かれる中、電車通勤の憂鬱な気持ちを晴らしてくれるかもしれない電車が話題となっている。

それがこちらだ。

「海遊館トレイン」の外観
「海遊館トレイン」の外観

この電車は、海遊館30周年の記念に近畿日本鉄道とコラボしたラッピング電車「海遊館トレイン」。

鮮やかな色使いで様々な海の生き物が描かれているポップな外装で、4月3日から、1日に15本程度、約1年間、近鉄奈良駅~神戸三宮駅間を運行するという。


そして、車内にも海の生き物が所々に描かれているだけでなく趣向が凝らされている。注目は中吊り部分で、カラフルなイソギンチャクをイメージしたピンクや薄い黄色のリボンテープがのれんのように下がっている。

そのリボンテープをよく見てみると、「カクレクマノミ」が隠れているなど、飽きない仕掛けもあり、癒やされる。

「カクレクマノミ」を発見!
「カクレクマノミ」を発見!

Twitterでは「めっちゃくちゃかわいい〜!!乗りたい!」「こんなので、毎日通学してたらウキウキします」などの声があり、話題となっている。

実は、海遊館は新型コロナウイルスの影響で3月から臨時休館している中で「海遊館トレイン」をスタートさせた。
6月1日から営業再開しているが、今回の企画スタートに迷いはなかったのか?また、他にも隠れキャラはいるのか?など海遊館の担当者にお話を伺った。

車内にはよ~く探さないと出会えない海の生き物が3種類

ーー「海遊館トレイン」の企画のきっかけを教えて

海遊館は2015年から近鉄グループに所属しています。2020年に海遊館が30周年を迎えるにあたり、近鉄電車とコラボできないかな?というアイデアは、以前から自然と出始めていました。

海遊館30周年のスローガンが「まいにち奇跡。」に決まった頃から本格的な企画がスタートし、近鉄電車では “「いつも」を支え、「いつも以上」を創ります。”という経営理念を大切に運行されていることをふまえ、「通勤や通学、お買い物など、普段の毎日が少し楽しくなる移動時間を提供できたらいいね!」とコンセプトが固まっていきました。


ーー車内のアイデアはどこから着想した?

外装の基本デザインは、30周年の祝祭感を海遊館の海の生き物を集めた“くす玉”をモチーフに表現するアイデアです。このデザインからはじまって、車内の至る所に、海と生き物の世界を表現しよう、「心地よい移動時間を提供しよう」とアイデアがどんどんふくらんでいきました。


ーー海の生き物はどのくらいいる?

外装デザインに大きく描いているのは、海遊館でも人気の生きものたちで、約15種類です。
ジンベエザメ、イトマキエイ、シュモクザメ、タマカイ、マンボウ、オウサマペンギン、エトピリカ、カリフォルニアアシカ、カマイルカ、マダコ、ハリセンボン、クラゲ、サンゴ、タツノオトシゴを描いています。


ーークマノミなど車内に隠れキャラはどのくらいいる?

車内吊りの装飾に隠れているのは、クマノミ、タツノオトシゴ、ヒトデの3種類で、それぞれ海の中でよ~く探さないと出会えないのと同じくらいの少なさ(笑)です。

ドアにも海の生き物たちが描かれている
ドアにも海の生き物たちが描かれている

「こんな状況だからこそやるべきだ」

ーーデザインのこだわりを教えて

電車が気持ちよく揺れるのと同じように、海にも波のゆらぎがあります。また、海の色や空の色は、季節の巡りや1日の時間経過の中で、グラデーションのように変わっていきます。色と色がまざりあったり、ゆらぎがあったり、海と自然の要素を取り込みながら、何よりも心地よい移動時間を過ごしていただけるようにとデザインにこだわりました。


ーー乗客からどんな声があった?

「偶然この電車と出会いとても心が癒されました」「気持ちが暗くなっている中、この車両に乗れて、ほんわかした気分になりました」など多くのうれしいメールをいただきました。


ーーなぜ休館中に企画を行った?

休館中の運行を目指した訳ではありません。海遊館は3月2日から臨時休館となり、4月からの「海遊館トレイン」の運行開始には少し迷いましたが、一緒に企画をしてきた近鉄電車の方々とも相談し、「普段の毎日が少し楽しくなる移動時間を提供しよう!という思いで制作しているし、海遊館の宣伝は一切してないから、中止にしなくて大丈夫。きっと喜んでいただける。こんな状況だからこそやるべきだ!」と自信をもって続けることができました。


ーー臨時休館中はどんな思いだった?

今、海遊館にできることは何だろう?と考えました。今どきの動画としては、画質など不十分と思いますが、不要不急の外出を控える中、ご自宅でも海遊館の世界を楽しんでいただけたらの思いから「おうちで海遊館」というタイトルで、動画配信を行いました。

海をテーマに描いた作品にも癒される
海をテーマに描いた作品にも癒される

6月から営業再開も…以前と比べて来園者は8割減

ーー再開後の6月1日以降の来園者は以前と比べて減った?

6月1日からは、感染予防のため、入館人数を制限して営業再開しています。インターネットで「時間指定券」(予約券)を事前に購入していただく方法です。当面は15分あたり50名に限定して、充分にソーシャルディスタンスを保っていただけるようにしています。これは、以前と比べると、およそ20%(5分の1)の入館者数になります。最大限の換気とお客様のマスク着用をお願いし、くれぐれも安心してご来館いただけるように努めています。


ーー営業再開後の反響は?

これまでの海遊館は、どちらかというと「混雑している」イメージだったと思います。感染予防対策として入館人数の制限を行っていますが、「人少なくて見やすかったからまた行こう」「新型コロナ対策ばっちりでゆっくり楽しめた」などのお声を頂戴しており、この機会を活かして、海遊館が本来お伝えしたかった海のすばらしさを体験していただけたらと思います。


ーー来館するお客さんにメッセージを

海遊館30周年のスローガンは、「まいにち奇跡。」です。改めて、普通にお客様をお迎えして、いろんな生き物のことをお話していた毎日のこと、普通に過ごすことができる毎日のことを、奇跡のつながりだったんだなと感じています。まだまだ制限の多い生活が続きますが、お客様にご協力いただきながら、慎重に慎重に、一歩ずつ、焦らずに新しい時代へと進んでいきたいと思います。

魚と一緒に景色を眺めることもできる
魚と一緒に景色を眺めることもできる

「こんな状況だからこそやるべきだ!」との担当者の思いは届いたようで、評判は上々のようだ。「海遊館トレイン」に運良くあたれば毎日の通勤や通学が楽しくなるだろう。
 

(FNNプライムオンライン6月9日掲載。元記事はこちら

https://www.fnn.jp/

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