「もう一度、夢舞台へ...」 高校球児と母の「背番号」

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この夏、インターハイや甲子園など、高校生活最後の大会を失った3年生たちがいる。

それでも、新たな1歩を踏み出し、前に進もうとする彼らを「Live News it!」は応援することに。

「もう一度、夢舞台へ」。
1回目の25日は、もらえなかったかもしれない背番号を背に、試合に臨む球児たちを追った。

野球の歴史は、学生から始まった。

躍動する球児たちの背中。
初めて背番号がつけられたのは、1931年、当時のセンバツ大会だった。

今も変わらない、その熱量。

2020年、春夏の甲子園が中止。
球児にとって、受難の年となった。

甲子園に出場したこともある、茨城県・水城高校の舟生陽葵主将は「自粛期間中はずっと、みんなで練習できていなかったので」と話した。

「早くみんなと野球がしたい」。
その思いを募らせていた。

緊急事態宣言解除後、茨城県でも、独自大会の開催が決定し、厳しい練習に励む日々が続いた。

そんな中、関根茂彦監督は、練習試合で、特別に3年生全員が背番号をつけてグラウンドに立つことを決めた。

20番を受け取ったのは、選手としては引退し、普段は背番号をつけない学生コーチだった。

関根茂彦監督「今回、3年生が、増茂(学生コーチ)含めて20人メンバーに入ったのは、役割が1人ひとり違うけど、一生懸命、2年生を引っ張ってきてくれたということで、今回は背番号を全員に渡した」

背番号20・増茂雄大 学生コーチは「率直に言うと、すごくうれしい気持ちです。正直言うと、まさかもらえると思っていなかったので...」と話した。

3年生全員が背番号をつけて迎えた、2020年初めての試合。

ノックをする増茂学生コーチにとっても、出場する選手にとっても、もちろん、見守る親にとっても特別なものとなった。

親は「一緒にできるのも、あと1カ月くらい。楽しくできたらいいなと思います。(背番号は)ひと針ひと針、愛を込めて縫いました」と話した。

試合ができる喜びをかみ締める、3年生。

背番号9・渡邉夏樹選手「見てください! 自分で縫いました」

久しぶりの試合で監督が伝えたかったのは、背番号の重み。

関根監督「やっぱり重いんだよな、背番号つけるっているのは。それでも、やっぱり3年生に頑張ってやってもらいたいから、気持ちをもう1回整えなさい」

監督の言葉でスイッチが入ったのか、自ら背番号を縫いつけた渡邉選手がホームランを放った。

生き生きとプレーする選手たち。

増茂学生コーチも、この日は背番号をつけた仲間とともに、特別な試合をつづった。

増茂学生コーチは「最後に背番号をつけている姿っていうのを見せられた。ずっと、つらい思いも一緒にして、楽しいこともあったので、そういった意味では、集大成じゃないですけど、自分たちの努力というのを表せたかなと思います」と話した。

(FNNプライムオンライン6月25日掲載。元記事はこちら

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