アメリカで新型コロナウイルスの感染が再び拡大、大統領選の行方どうなる?

国際

  • 6つの大接戦州の支持率でバイデン前副大統領がリード
  • バイデン氏の“敵失頼み”の「ステルス作戦」
  • 大統領選の行方を左右するコロナ「第二波」と「ワクチン」のタイミング

6つの大接戦州の支持率でバイデン前副大統領がリード

アメリカでは新型コロナウイルスの一日の新たな感染者数が連日およそ5万人に達し、最多記録を更新している。こうした中、専門家はこのままだと1日の感染者が10万人に達する可能性もあると警告している。

一旦は収まるかに見えた新規感染者が再び急増している理由として、5月下旬から6月上旬にかけて全米50州で経済活動が再開されたタイミングに問題があったと指摘されている。専門家は感染拡大のピークが州によってずれがあるにもかかわらず、一斉に経済活動を再開したのは不適切で、これが感染の再拡大につながったとしている。


初期段階で深刻な被害が出たニューヨーク州やニュージャージー州で新規感染が落ち着いてきたのに対して、テキサス州、フロリダ州、アリゾナ州で感染者が急増している。これらの州は、レッドステートと呼ばれる共和党の地盤が多く、トランプ大統領の支持基盤と重なる。

ニューヨーク・タイムズ電子版より
ニューヨーク・タイムズ電子版より

こうした中、トランプ大統領の支持率はどう変化したのか?ニューヨーク・タイムズの最新の世論調査を見ると、大統領選の勝敗を左右する接戦州、ミシガン、ウィスコンシン、ペンシルベニア、フロリダ、アリゾナ、ノースカロライナの6州、ここは、前回の大統領選ではトランプ大統領が4ポイント差以下でぎりぎり勝った州だが、軒並みバイデン前副大統領がトランプ大統領を大きくリードする結果が出た。

注目は、大票田のフロリダ州でトランプ大統領の支持率が前回、4月の調査に比べて9ポイントも下落していることだ。フロリダは温暖な気候から、退職後の裕福で保守的な白人高齢者が多く暮らしていて、トランプ大統領の重要な支持基盤だ。しかし、新型コロナウイルスが重症化しやすいとされる高齢者の間には、トランプ大統領のウイルス対策に強い不満が広がっていて、トランプ離れが加速している。フロリダ州は選挙人の数が全米で3番目に多く、フロリダを失えば、トランプ大統領の再選はかなり厳しくなる。

バイデン氏の“敵失頼み”の「ステルス作戦」

一方、民主党にとってはトランプ大統領のウイルス対応での失策は格好の攻撃材料となっている。バイデン陣営は、コロナ対策を巡るトランプ大統領の指導力の無さを非難するネガティブキャンペーンを大々的に打ち出している。

政治サイト「ファイブ・サーティー・エイト」HPより
政治サイト「ファイブ・サーティー・エイト」HPより

また、政治サイト「ファイブ・サーティー・エイト」の最新の世論調査によるとバイデン前副大統領は、全国的な支持率で9ポイントリードしている。もちろん、2016年の選挙のように、支持率でリードされていても、州ごとに割り当てられる選挙人の数で勝てば、トランプ大統領の再選は可能だ。

ただ、注目すべきは、近年の大統領選でこの時期にこれほど支持率の差が出ることがまれだという点だ。2016年は終始ヒラリー候補がトランプ候補をリードしていたがその平均値の差は7ポイントを超えていない。2008年のオバマ前大統領とマケイン候補の選挙戦でも同時期のオバマ氏のリード幅は6ポイントだった。9ポイントというのはかなり大きな差だということがわかる。

しかし、バイデン前副大統領も万全ではない。77才という高齢による身体的な衰えや、失言癖などの問題点も指摘されていて、できるだけ露出を避ける、「ステルス作戦」に徹している。
バイデン氏の現在の支持率の高さはトランプ大統領の「失策」によるものが大きく「敵失頼み」の選挙戦となっている。

コロナ「第二波」と「ワクチン」のタイミング

大統領選まで残り4か月を切った。4年前の大統領選では全米で13%の有権者が投票先を選挙直前の最終週に決めている。勝敗はギリギリまで予断を許さない。また、新型コロナウイルスの「第二波」があるのか、ワクチンの開発のタイミングが大統領選に間に合うのか、こうした点も大統領選の行方を大きく左右することになる。

【執筆:FNNワシントン支局長 ダッチャー・藤田水美】

(FNNプライムオンライン7月8日掲載。元記事はこちら

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