もう一度夢舞台へ 部員手作りの“卒業試合”

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この夏、甲子園やインターハイなど、高校生活最後の大会を失った3年生たち。

「もう一度、夢舞台へ」。
新たな一歩を踏み出し、前に進む姿を追いかける。

23日は、サッカー部のライバル校同士の絆。

サッカー部員にとってのインターハイは分かれ道。
冬の全国選手権を目指すのか、受験のために引退か。

インターハイを失った選手たちのための手作りの“卒業試合”。

それは、旅立ちの舞台だった。

部員たちが力を合わせて、3年生のために作った卒業試合。

発案者は、矢板中央高校・高橋健二監督で、インターハイを失った部員たちのためにと、栃木県内の3校に呼びかけ、公認審判員も招いて試合は実現した。

矢板中央高校・高橋監督「公式戦さながらの大会を作っていきたいという思いで、選手たちが最後まで諦めない頑張る姿、すべて出し切ってやりきってもらいたい」

インターハイをなくした部員へ届けたいのは、本気で戦えるピッチ。

「2020 栃木U-18サッカーファイナルカップ」。

県内屈指の進学校・宇都宮高校の3年生は、例年、インターハイ後に引退する。

大橋義弘選手の父親、大橋康弘先生は脳神経外科医で、この試合のドクターを務めた。

大橋選手は、国公立大学の医学部を目指すため、これが最後の試合になる。

宇都宮高校・大橋義弘選手「この大会が開催されるってことで、(サッカー部の)みんなで一致団結して、また同じ目標に向かってできて、うれしかったです」

大会ドクター・大橋康弘先生「記録には残らない試合だと思うが、記憶に残る試合になるように『一生懸命頑張って』ということは伝えました」

一方、栃木高校にとっても、この試合は特別な舞台。

インターハイ中止で一度引退した部活。

上原真路キャプテンの心配なことは...。

栃木高校・上原キャプテン「一度引退式をしてしまったので、チームとしても、少し気持ちがバラバラになってしまっていました」

上原キャプテンは試合前日、3年生を集め、思いを吐き出させた。

上原キャプテン「感謝を伝える手段として、自分たちが一生懸命頑やることが一番」

部員「いざ前日になってガチでやろうは、気持ちが追いつかない」、「勝ちたい(気持ち)がなかったら、消化試合で終わってしまう」

選手に任せ、見守る監督。

気持ちを1つに、いざ試合へ。

上原キャプテン「俺らがやることは変わらないのは絶対ですから、全力振り絞って頑張りましょう」

雨の中で行われた、栃木高校と宇都宮高校の1回戦。

途中で雨がやみ、医学部を目指す宇都宮高校の大橋選手も、栃木高校の上原キャプテンも全力を尽くす。

試合は、お互いに無得点のまま、PK戦へ。

栃木高校は、上原キャプテンがしっかりと決めるなど、宇都宮高校を下し、決勝へ進む。

ファイナルカップ決勝は、上原キャプテン率いる栃木高校が、強豪・矢板中央高校と対決。

2020年の新人戦では、栃木高校が全国4位の矢板中央高校を下しているが、先制したのは矢板中央高校。

この1点が、栃木高校に重くのしかかる。

それでも諦めず、必死でゴールを目指す栃木高校。

最後のミーティングまで意見をぶつけ合ったチームが、試合終了直前、勝利への思いを見せた。

しかし、オフサイドで得点は認められなかった。

届かなかった1点。

試合は、1 - 0で終了し、響くホイッスルが引退する選手に、高校サッカーの終わりを告げる。

真剣勝負だからこそ流せた涙。

上原キャプテン「勝ちだけが最後の終わり方ではないと、きょうなってしまった。僕らの姿が、少しでもみなさんにとってサッカーやってよかったなとか、感謝の気持ちが伝えられたら、すごくうれしいです。ありがとうございました」

涙をぬぐって、新たな道へ。

医学部を目指す大橋選手のいる宇都宮高校は、3位決定戦で勝ち、涙を見せず、全員が引退。

宇都宮高校・大橋選手「チームとしても、楽しく集大成を発揮できたかなと思います」

大橋選手の父・大橋康弘先生「サッカーを楽しんでいる姿を見られたことに感謝している」

上原キャプテン「きょうの試合をもって、それぞれの道へ行くことになるけど、次からも全員で声出して頑張っていこう!」

(FNNプライムオンライン7月23日掲載。元記事はこちら

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