仕事しながらバカンス?政府推奨「ワーケーション」って何?コロナ禍での働き方を星野リゾート星野佳路代表に聞く!

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  • 新しい働き方 政府推奨「ワーケーション」って何?
  • 星野リゾート・星野佳路代表が生出演で語るそのメリットとは?
  • 「温泉地での業務、会社は認めてくれるの?」など様々な疑問に星野社長が回答

政府が推奨する「ワーケンション」

7月27日、菅官房長官は新たな形の観光を推進していく考えを示した。


その名も「ワーケーション」。ワーケーションとは、「WORKワーク」と「VACATIONバケーション」を組み合わせた造語で、リゾート地などで余暇を楽しみながらテレワークなどを活用して仕事をするスタイルのことだという。

すでに日本航空などの大企業も導入しており、観光地などにいても働いている時間は勤務として扱うという。しかし…


星野リゾート代表に聞く

休暇先で本当に仕事ができるものなのか?費用負担はどうなるのか?など、SNSでは疑問の声も上がっている。

感染対策と経済活動の両立を目指す「ワーケーション」。一体どこまで普及するのか?

7月28日の「直撃LIVEグッディ!」では、ワーケーション事業に参入している星野リゾートの星野佳路代表が生出演。新たな働き方への疑問に答えていただいた。


大村正樹フィールドキャスター:
きょうは星野リゾートの星野佳路代表にリモートで出演していただきます。星野リゾートは国内で37の宿泊施設を運営していますが、そのうち25の宿泊施設でワーケーション関連のプランがあるといいます。


星野リゾートが提供する至極の「ワーケーション」

・星野リゾートでは3月からワーケーションプランを販売している
・「星のや東京」ではワンフロア貸し切りプランを1泊31万8780円~(税別)
・「リゾナーレ八ヶ岳」では1泊・3泊・5泊・7泊・10泊から選択可能なプランを用意している

安藤優子:
これは1泊2食付きのプランでしょうか?

星野リゾート・星野佳路代表:
1泊2食はついていないですが、ご自由に食事を組み合わせることはできます。観光地、温泉地は2食付きの販売が日本で主流です。ワーケーションの時は連泊を促すことができるというのが観光業最大のメリットですが、その時には食事のあり方にもうちょっとバリエーションを増やさないと対応できないと私は思っています。

安藤優子:
毎日同じようなメニューでは、連泊する方も飽きてしまうことがありますよね。

星野リゾート・星野佳路代表:
そうです。泊食分離と業界用語では呼んでいますが、インバウンド時代もこれが長く課題でした。海外からの方は2泊3泊4泊と連泊される方がいらっしゃいますが、食事のバリエーションを観光地でどう提供するかというのは、日本の観光はあまり慣れていなかったですね。私はこのワーケーションが、日本の観光のある意味で弱点を一気に変えていく機会になればいいと思っています。


星野リゾート・星野佳路代表:
ワーケーションのもう一つのメリットは、日本には祝日がたくさんありますが、週の真ん中、例えば木曜日にポツンと祝日があっても、あまり観光事業は伸びませんでした。木曜日が祝日で、金曜日がワーケーションでテレワークを出社として認めてもらえるようになると、木金土日と4連休ができるわけです。連泊をしていただくことは日本の観光地に非常に重要で、需要が平準化してきます。そうすると生産性が上がります。そうすると価格が下がります。

安藤優子:
SNSでは金銭面の問題を懸念する声が上がっているそうですが、どこまで会社が補償をしてくれるのか?ワーケーションを仕事として認めてくれるのか?という根本的な問題もあると思うんですよね。

星野リゾート・星野佳路代表:
テレワークは仕事として認められつつあると思います。そのテレワークは、自宅から参加していても温泉地から参加していても変わらないわけです。テレワークを仕事として認めている会社には、ワーケーションが可能な環境が整っていると思います。

安藤優子:
なるほど。ただ、温泉まで行く費用とか食事代は自費になりますよね。

星野リゾート・星野佳路代表:
これは自費になりますけど、よく考えていただくと、日本人の国内旅行は1泊2日が大半です。ですから、ワーケーションは3泊・4泊を視野に入れるべきだと思います。移動というのは、1泊しかないと1日当たりの移動費が高くなります。それを4で割ると、同じ移動費でも安くなってきますよね。


星野リゾート・星野佳路代表:
あとは宿泊費を下げていく努力をしなくてはいけないんですが、日本は観光地が忙しい日が集中しています。土曜日やGW、お盆とか、値段が2倍3倍となっていますよね。先ほど話しましたが、その需要を平準化させることによって、価格は必ず下がります。価格を下げることでワーケーションが可能になってきます。もう一つ、食事を宿泊から外すことによって、ワーケーションがますます可能な価格帯に入ってくると思います。

安藤優子:
テレワークは在宅で仕事をしましたが、家にいるだけでも仕事のONとOFFの区別が難しかった。さらに今度はバケーションが一緒になってくると、よりONとOFFの区別が難しくなってくる気がします。だって隣に温泉があれば入りたいし、遊びたいですよね。そのあたりの効率についてはいかがですか?

星野リゾート・星野佳路代表:
ワーケーションをなさっている方、実はかなり前からいらっしゃいまして、そういった方々のお話を聞いていると、仕事上の効率面の問題は慣れてくるとそんなに起こっていないと私は思っています。むしろ、人生の効率は上がっていくという感覚です。

安藤優子:
人生の効率?

星野リゾート・星野佳路代表:
働き場所とバケーションがある程度一体化してくることによって、移動しなきゃいけない時間は減ってきますし。本来、もっと楽しもうと思ったことに時間を費やせます。例えばお子さんがいらっしゃる方なんかは、子供さんだけリゾートのアクティビティに参加して、ご両親はワーケーションをなさる。そういう時、結果的に休んでいるお子さんにとっての時間は長くなります。夕食だけお子さんと一緒に観光地で取っていただくこともできてくるので。たとえ仕事の効率が下がったとしても、人生の効率は上がってくると思っています。

安藤優子:
なるほど。人生の効率が上がるんですね。

北村晴男弁護士:
これは業種によると思います。僕らの業種は書面を完成させる、打ち合わせをするというのがメインなので。事務所に別の弁護士がいて、私が例えばどこかに行っていても、打ち合わせなどすべてワーケーションでできます。書面のチェックとかもできるので。仕事の効率が落ちるというのは、慣れじゃないかなと、星野さんと同じように思いますね。

安藤優子:
高橋さんはいかがですか?

サバンナ高橋:
ぼくらの仕事だとなかなか難しいけど、ちょっと前までリモートでずっと家から出演させていただいたじゃないですか。あの時、星野リゾートに泊まっておけば…って今思っていますよ!! 「今、星野リゾート来ています」と言ったら、みんなにどれだけうらやましがられただろうって(笑)

星野リゾート・星野佳路代表:
そういう意味では、リゾート側がもっと変わらなきゃいけないですね。例えば出演できるスタジオが用意されているとか。テレワークでも、ちょっと会議に参加しなきゃいけないとき、ラウンジとかだと参加しにくいじゃないですか、周りに声が聞こえたりしますから。個室を用意するとか、新たな設備への投資も、リゾート・観光地側で必要になってくると思っています。

サバンナ高橋:
テレビも出演できるスタジオとか、個室の会議室があったらめちゃくちゃ行きたいですね!「リゾート気分かと上司に怒られそう」と言う人のために、まじめな壁も用意してもらえると…

星野リゾート・星野佳路代表:
ちょっと雰囲気の悪い壁も作っておきます。(笑)

大村正樹フィールドキャスター:
視聴者の方からも、「旅先で優雅に仕事をしたら上司から目をつけられそう」など、上司の理解が得られるか?と懸念の声が上がりましたね。

安藤優子:
これは大事な部分だと思うんです。会社の理解も得なくてはいけないし、生活スタイルや文化的な感覚、考えも根本から変えなくてはいけない。これは壮大なプロジェクトだと思うのですが、星野さんいかがですか?

星野リゾート・星野佳路代表:
クールビズというのが出てきた時も、同じような議論があったと思いますが、だんだんネクタイをしている方が減ってきています。このワーケーションも、実はコロナ期の前から少しずつ増え始めていて、これがきっかけになって一気に観光地・リゾート地側で環境をしっかり整備されてくると、私はじわじわ増えていくと思っています。コロナの時期にテレワークが出勤として認められるという大変革が、コロナ後についても観光には大きなインパクトを与える一つになると思っています。

安藤優子:
星野代表、ワーケーションをした地でコロナウイルスに感染して発症する事例が出た場合、その地域の医療機関に負担をかけることになるわけです。そのあたり、宿泊施設と地元の理解は不可欠だと思いますが、いかがですか?

星野リゾート・星野佳路代表:
日本中の観光地は、経済と感染防止の両立を図っていかないと私たちはやっていけないということが、4月5月を見てよく分かりました。なので、この4月~6月で、日本中の宿泊施設は3密回避を徹底してやっています。3密になるところは、食事の場所も含めて大きく変化させたんです。その意識は地方でもかなり高まっていると思います。

安藤優子:
ただ、東京は除外されているので、冷たい目で見られるのかなと…

星野リゾート・星野佳路代表:
単発的な事例がニュースになりがちですが、ほとんどすべての観光地では東京を含めて、大都市圏の方をウェルカムしています。GO TOトラベルがあろうがなかろうが、観光地はこの7月8月はそこそこの需要が戻ってきていますし、それを9月以降も維持して、なんとかこのコロナの時期を生き延びるために頑張っていく。そのためにも3密回避を徹底していますので、ぜひ一度いらしていただいて。安心を感じていただける滞在になると思います。

安藤優子:
政府は、例えば高齢者や若者の団体旅行だったり、大声を出して騒ぐのはダメだとか、旅行の方法にまで踏み込んでいます。宿泊される側にしても「大声を出さないでください」とかやらなければいけない。このあたりが“withコロナ”の面倒なところかなと思うのですが、星野代表はどう思われますか?

星野リゾート・星野佳路代表:
“withコロナ”の時期に私たちはある程度、密になることに関しては、踏み込んでお客さまに注意するようにしています。それは普段なかなかできないレベルにまで踏み込んで「こういう時期には遠慮してください」とはっきり申し上げるようにしています。

それでもお客さまも、この時期にはご理解いた頂いております。そこはわかっていただけますし、「どこが密になるので、どこを避けてください」、「この時間帯は大浴場混みます」、いろんな情報を提供することで顧客が自ら密を避けようという行動に出ていただいています。

私たちの取り組みも大事ですが、お客さまの意識の方も高まっているので、一緒に協力していく事が大事だと思っています。今大都市圏で通勤する人の数を減らそうとしていますけど、私はワーケーションはそこにもプラスになると思っています。安全に滞在していただける環境を整えていきたいと思っています。

(「直撃LIVE グッディ!」7月28日放送分より)

(FNNプライムオンライン7月28日掲載。元記事はこちら

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